276:名無しNIPPER[saga]
2018/08/19(日) 03:21:17.91 ID:3FrzmiYZ0
【文化祭 2ー1】
「未来くん、ちょっと眠そうじゃない?」
と、部室に入ってすぐに東雲さんに声を掛けられる。
軽く寝坊をしてしまっていたから、まだ開場前であるとはいえ部室には俺以外の全員が揃っていた。
「ああ、うん。なかなか寝られなくて」
そう答えると、窓の方に立っている胡依先輩が反応を示した。
「ほらやっぱりー」
「……やっぱり、って?」
先輩はほかの二人に目配せをする。
ソラは笑いを抑えるように、東雲さんは少しだけ申し訳なさそうにこちらを見る。
「俺は馬に蹴られて死にたくない」とソラが言う。
「ま、遅刻しなかっただけ許してあげましょう」と胡依先輩が言う。
それとなく察する。
とりあえず平謝りするほかない。
「未来くんが来ない間に、準備とかいろんなの、もう済ませちゃったから」
「そうそう。今日は白石くんにいっぱい働いてもらわなきゃね」
そういえば、かくいう先輩はちゃんと寝たのだろうか。
部室のなかを見渡すと、当たり前だけどゲームの類は出されていない。
だからまあ、そこらへんは東雲さんがうまくやってくれたのだろう。
「今日はまったりがんばりましょう」
と、胡依先輩が声を上げると同じタイミングで、出展開始の校内アナウンスが鳴り響いた。
文化祭の二日目が始まった。
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