245:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:40:06.07 ID:ZdvxIxQI0
「じゃあ、わたしあっちなんで」
と、駅に着くなりあっさり帰ってしまおうとするのを、
「れ、れーちゃん……」
と奈雨が呼び止める。
零華は「うっ」とずっきゅんハート射貫かれましたとでも言いたげに左胸を押さえて息を漏らす。
そのわざとらしさに思わず口元が緩むと、零華は俺をじとりと睨んでちょいちょいと手招きしてきた。
「先輩、ちょっと耳貸してください」
言われるままに身を屈ませると、不満げにぷくっと頬を膨らませてから顔を近付けてくる。
「お二人と一緒にいたいのはやまやまなんですけど、わたし明らかに邪魔者なんで早く退散したいんですよ。
ていうか、さっさと二人っきりになってください。今日は枕を濡らす予定が入っているので帰らなくてはならないのです」
「なんだそれ」
「先輩を和ませるジョークです。いやマジです。……ってそんなことはどうでもいいんですよ。
あ、ビデオ通話でもしますか? しませんよね。なんだかわたしまでそわそわしてきてます」
早口で言い募りながら、ばたばたと足踏みをする。
落ち着けよ、と言おうとしたところで、奈雨からきょとんとした目が飛んでくる。
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