246:名無しNIPPER[saga]
2018/08/09(木) 15:40:47.37 ID:ZdvxIxQI0
「……まあ、先輩。奈雨ちゃんのことをよろしくお願いしますね」
と俺から間合いを取り、向けられていた視線の方へ歩いていく。
そこで二、三やり取りを交わした後、零華は「がんばれー」と俺に口パクで伝え、改札へとつま先の向きを変える。
「……あ、零華」
「なんですか?」
「傘、持ってけよ。雨降るっぽいから」
折りたたみの傘を手渡すと、「先輩にしては気が利きますね」と嬉しそうな声が返ってくる。
「それじゃ先輩、奈雨ちゃん。またあした」
ひらひらと姿が見えなくなるまで手を振って、そのまま奈雨の前に手のひらを持っていく。
「俺たちも行こっか」
「……ん」
奈雨はこくっと頷いて、ちいさな手のひらを重ねてきた。
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