182:名無しNIPPER[saga]
2018/06/29(金) 01:28:59.32 ID:CaJ2VfCb0
「俺が悪いのか」
「いや、ちょっと奈雨ちゃんの気持ちがわかった気がします」
意味のわからないことを言うとあっさり腕を離して、嘘だという旨を説明しはじめた。
「この人は、わたしの好きな人の好きな人!」
「そうなんだ」
「今からうちのやつ見てくれるらしいから、一緒に行こうとしてたの」
「なるほど」と顎に手をやりながら零華のクラスメイトは言って、
「あ、奈雨ちゃんの、ってことね」
「そうそう」
「ふふ、そっか。わかったわかった。れーちゃんも見てらっしゃい」
失礼しました、とその子はぺこりと頭を下げてその場から立ち去った。
「零華の好きな人の好きな人で伝わるんだな」
真偽はともかくとして公然の事実として定着しているらしい。
「あっはい。いつも愛を伝えているので」
「冗談に聞こえないんだが」
「いやいや、わたしはいつだって本気ですからね」
わたしを見習って先輩もはやく素直になってくださいね、と言って零華はにこりと笑った。
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