21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:42:20.83 ID:eKF+OPoOo
……なんて調子で俺たちは採用する子を選んで行く。
やり取りこそ軽口の応酬みたいだが選考基準は実に厳しい。
実際、二十数人にまで膨れ上がっていた採用候補も最終的にはたったの七、八人にまで絞り込んだ。
「……で、この子をどうするかなんだよなぁ」
机の上のプロフィールを見つめる俺たちの表情は真剣だった。
現段階で既にもう、予定していた合格人数を三人ほどオーバーしている状態で。
「悩む必要があるんですか?」
その膠着を破ったのは千早。
彼女はプロフィールに書き込まれた実技テストの評価を指し。
「成績は北上さんに次いで二位。面接もそつなくこなしていて、初対面の人前に立つ度胸だってある」
「そうね。千早が言う通り即戦力なのは間違いないわ」
「だったら――」
「だからこそ決めかねてるんだ。……千早、彼女の印象どう思った?」
自分の言葉を遮った俺に、千早がその訝し気な視線を向ける。
「どうって……。殆ど素人の人にしては随分安定しているな、と」
「律子は?」
「真面目、秀才、優等生。おまけに凄く礼儀正しい。
……今振り返って考えれば、これ以上ないほどの面接のお手本ってトコですかね」
「……二人とも、それの何がいけないって言うの?」
千早はともかく、どうやら律子は俺と同じ意見のようだった。
なんて説明したものかと思いつつ俺は静かに口を開く。
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