65:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:50:01.94 ID:QxgIwWOp0
しかしながら、レッスンを終え、床に倒れながら、大げさに空気を身体にかきこむ。
そんな日々を一ヵ月ほど続けていると、私は、
こんなレッスンを毎日やるのかと、このままでは運動嫌いになってしまう、
66:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:54:21.49 ID:QxgIwWOp0
ある日、私はレッスンの時間が来ても、ずっと自分の机の下で本を読んでいました。
(正確には本に集中できるわけもなく、かくれんぼは、腕時計、自分の罪悪感、との闘いでもありました)
結果から書くと、一回目は腕時計の勝ちでした。
67:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:56:08.65 ID:QxgIwWOp0
レッスンルームに入るとプロデューサーさんとトレーナーさんが、心配そうな顔をして、私を待っていました。
「どうしたんだ。何かあったのか」
68:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:57:14.70 ID:QxgIwWOp0
かくれんぼは、レッスン室の予定が詰まっていない、プロデューサーさんが忙しくない、
これらの条件が揃うときに不定期で開催されたのですが、二回目以降は全てプロデューサーさんの勝ちでした。
二回目は開始から十分ほど過ぎると、プロデューサーさんが机の下へとやってきて、
69:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 22:58:42.97 ID:QxgIwWOp0
三回目は五分前。場所は同じく私の机。四回目はキノコさんの机でした。
プロデューサーさんは、私が私の机の下に入っていないことに、
「あれ?」と少し困った様子でしたが、キノコさんの机の下に私の姿を見つけると、とても嬉しそうに、
70:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:00:23.59 ID:QxgIwWOp0
「そうか……じゃあ今日はレッスンやめるか」
「へっ? いいんですか?」
「いいけど、トレーナーさんには森久保が自分で言ってくれよ。
71:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:03:45.10 ID:QxgIwWOp0
今になって思い返すと、この一連のかくれんぼは、親元を離れ、甘えたいのに甘えられない、
私、森久保乃々の、ひねくれた甘えアピールのようなものだと認識されていたように思います。
しかし、先ほども書きましたが、このかくれんぼは、私の逃避かつ主張の手段でした。
72:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:05:03.66 ID:QxgIwWOp0
「行きたくないんですけど。嫌なんですけど……」は森久保の求愛の手段でも、冗談でもなく、
私の心からの叫び、悲鳴でした。
73:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:06:35.15 ID:QxgIwWOp0
しかしながら、かくれんぼの回数が増え、レッスン量が増えても、
誰も私の悲鳴には気づいてくれませんでした。
(それどころかみないっそう、森久保に対する誤解が深まっていったように思えます)
74:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 23:09:19.05 ID:QxgIwWOp0
ライブまで二週間を切ると、みんなが、「ライブ頑張って」と私に声をかけ、
私は、嫌なんですけど、と心の中で叫びながら、森久保の笑顔を作り、
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