34:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 20:03:29.78 ID:QxgIwWOp0
部屋へと戻り、荷物の確認をしているとチャイムがなり、母が私を呼びました。
私はポエムを書き綴ったノートなど、どうしても人に見せられない物の最終確認をしてから下りていきました。
リビングではプロデューサーさんと母が話をしていて、
私の姿を確認すると、そろそろいこうか、と腰をあげました。
玄関先に出ると、見計らったかのように、
「乃々をお願いします」
と母が言い、
「乃々さんをとても立派なアイドルにしてみせます」
とプロデューサーさんが答え、二人は深々と頭を下げ合いました。熱い一日でした。
隣の家から蝉の声が聞こえてきて、アスファルトから立ち込める蜃気楼が私の行く末を揺らしていました。
「乃々ちゃん? お母さんとは当分会えなくなるかもしれないけど、何か言わなくていいの?」
「お母さん今までありがとう……」
森久保は少し恥ずかしそうに、そう呟きました。
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