森久保乃々「さよなら、森久保」
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35:名無しNIPPER[saga]
2018/01/23(火) 20:05:12.89 ID:QxgIwWOp0

「乃々、これを持っていきなさい」

 母は笑って、私の頭を撫でると、エプロンのポケットの中からラッピングされた袋を取り出し、私に渡しました。丁寧に包装を解いてみると、そこにはシンプルな水色のピアスが入っていました。

「アイドルをやるんだから、少しはおしゃれにね。
 つらいことがあったらこれをお母さんだと思って。お母さんはいつでも乃々のことを見ているから」

 母はピアスを私の耳につけてくれました。マグネット式とのことで耳に痛みはありませんでした。

 しかし、そのピアスの感触は、ずしりと私に深く残り続けました。森久保は精一杯の笑顔を作ってみせ、

「お母さんありがとう」

 ともう一度言いました。



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