17:名無しNIPPER[saga]
2018/01/18(木) 21:21:13.78 ID:3iKMEwHU0
「――いいえ、今まで一度も。奈緒さんがはじめてです」
携帯の番号やメールアドレス、住む家もすべて変えた。
765プロの誰かと会うのは、本当に久し振りのことだった。
「舞台とかドラマで鉢合わせしそうなものですけど、制作側が気を使ったんですかね。……いや、違うか」
もぞもぞっと掌をコタツ布団のなかへ押し込む。
冷えた掌に熱がじんわりと伝わる。唇が渇いている気がした。
「裏切り者ですし。共演NGってやつですかね。まぁ、当たり前だと思いますけど」
奈緒さんが突然「お前なァッ」と勢いよく立ち上がり、すぐにか細い声で「あいたっ」と呟いた。
臑をコタツにぶつけたのか、けんけんしながらキッチンの方へ消える。吐くのかな。
私も着いていった方がいいかな、と振り返ったところで、奈緒さんはすぐに戻ってきた。
天板へ、どん、と缶が2本置かれる。チューハイのロング缶だった。
45Res/48.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20