六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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15: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:53:27.34 ID:6rZ5mY140
さて二人の過熱も消滅したことだし、すべり台から六花と俺を下にした二段ロケット構えで膨大な風を浴び落ちる。六花の叫び声がかわいくて忘れられない。
六花「次は、次はねー、ブランコ!」
どうやらこの公園を支配する小さな国の王女様は一睡も休ませる気はないようだ。
ブランコまで駆け寄った後「ゆうたー!」と呼ぶ声が聞こえる。もっとほしいもっとくれというエロおやじ心丸出しで、今の自分は今の自分でも見てはいけないと思うほど人情の愛に溺れていた。
4人用のブランコに六花が好きなのを選択し、仕組みを理解してる最中なのか立ち止まった後ブランコに座った。なんだ、隣に座っていいのか?それとも背中押してほしいのか!?とその様子を垣間見て、向いた愛くるしい顔つきの方向によると背中を押してほしいようだ。
俺が六花の背まで移動すると、六花はびっくりした顔で「な、なんでわかったの!」と、探偵に犯行を見破られた犯人のように口を丸く開けていたが、当たり前だろ俺は以心伝心の力を授かった。さっきの愛の力でスキルを解放した!と答えると、興奮し拍手をされた。
六花「ゆうた、ついにESP(超能力者)に目覚めた!」
いやそれだけは、世間的にやばいので否定しておいた。
六花の背中をゆっくり押すと、ブランコはゆっくり反射していく。
六花「浮いてる!浮いてる!」
そうか!浮いてるのがいいんだな!よーし!
六花の振り子は、舞い戻るたびに柔らかいその背中を大きい手で空へ飛ばすとだんだん強く激しく周回し、気が付いたら六花は空を飛んでいた。まるでタケコプターか鳥になって上空を飛んでいるかのような、地については一生感じられないふわっとした感触をしているに違いない。
六花「みてみてー!六花宇宙飛行士!無重力の世界になった!宇宙にいるの!今木星の周りを飛んでる!」
あり得ないだろと内心笑いつつ、そうかそうかと六花の漕いでいる足の努力を消すように俺の手で柔らかく受け止め、そして弾く。六花のはしゃぐ笑い声が、世界の広さをドップラー効果みたく駆け巡る。
この光景、なんかまるでお父さんと子供みたいだな、ははっ。
あ、六花にはお父さんがもう……。死んだんだよなお父さん。記憶は幼いころだけだったようで気が付いたらお葬式だったそうだ。十花さんの情報で、お父さんといるときの六花はたいそう幸せだったようで。あいつの笑顔をまた見れてよかった、ありがとう。とイタリアに出国前の十花さんにいわれたときを思い出す。この笑顔はかけがえのない存在だったんだよな。六花はひょっとしたら俺をお父さん代わりに人生を楽しんでいるのかもしれない。ある意味六花にとっては永遠の呪縛、逃れられない悪魔の記憶にうなされ続ているんだろう。だからこんな公園ごときであんなに笑顔で……。
だとしたら責任重大だな。俺がいないとだめなんだ。もう悲しませることのないぐらい冒険をしよう。もう六花に不幸が訪れませんように!
その思いを太陽より強い希望を持って強く押した背中とは裏腹に、予想よりもはやく周回を遂げて黒い影が戻ってきてしまった。

そろそろやめていいって、先ほどと変わらぬセリフを、いや長すぎて飽きてきたんだけどどうしようと思った俺は何もしなくなり、六花が後ろを振り向いても別に思わん。頭がまたぼーっとすると、気が付くと六花はすでに降りていて、すべり台を指さした。
まーーーーたーーーーー!!!俺そろそろ飽きてきたんだけど!
しかし喜ばしいことに俺に「来いよ奴隷」みたいな合図はせず、六花はすべり台の上に登ると最頂の周りの柵を、大きな丸いお尻でよじ登りフワフワするゴススカートの絶対領域をちらっと見せてくるけど恥じらいのないのか気にせず外に降り立つ。そして六花は傘を、シュバルツゼクスプロトタイプマークツーを開くと自信満々な顔を見せて……やべえ!!!これやべえ!!!
俺はさっき老人のように肺活量が劣ってきたと言ったな。あれは嘘だ。本能のままに体が動き出し、全力を超えた神力で疾走し風圧を簡単に吹き飛ばす。俺の頭のハムスターの緊急回転で物体の空間配置を理解すると、六花の「はっ!」と言って傘を広げて空中落下する様の、下の地点まで華麗にスライディングを決める。土がえぐられ砂ぼこりも立つなか、落下した隕石のお尻部分と背中部分を両手で「どっこんじょ!!!」と、腕の骨が2,3本バキバキ折れる音を聞きながら衝撃を和らげ、俺の顔が憤怒の原始姿を取り戻す。世界が静止すると、六花は驚いた顔で俺に向ける。「大丈夫か」って聞くと、六花はうんと答える。
勇太「なんでこんなことしたんだ?」
六花「メリーポピンズのまね。ふわっと上空浮かぶの見てやってみたいと思った。現実って映画と違うよね」
勇太「そっか。もうバカだなあ」
と言って六花の頭に頭突きする。よかったほんとによかった。違和感を感じるだろうが、その笑顔だけで幸せになる。だけどちょっとだけ腕を休ませていいかな……?


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