16: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 22:54:08.46 ID:6rZ5mY140
勇太「休みましょう!お願いだから休ませてください!」
と嘆願すると、六花は俺に一回振り向くと無言になり前を見て「ドームがあるー!!」って言った。
いやだああああああああああああああああああああああ!!!!
俺は痛んだ腕をぷらんぷらんさせて痛みを11月の風で冷やしつつ、3歳児並みに頭と体力の等しい六花の元に行くが、何やら身構える体制になり後ろに回る。
勇太「ドームにさっさと入れよ」
六花「しっ。聞こえる!」
六花は薄暗いドームの入り口横で、ピストルの形をした手に、銃弾一式を挿入し確認した後リボルバーを回し、銃の命の矛先である射線を目で慎重に合わせる。じっと前を見続けるあまりの変化のなさに六花の画像認識にバグが起こったんじゃないかと心配する。
六花「なんかいる!」
えっ!?誰?
六花「3……2……1…..いくぞ!!」
六花「そこだー!!ばばばばばばばばばばーん!!!!!!」
六花「いた!ばばばばばばばばばーん!!」
六花「ゆうた!後ろから援護!!」
勇太「えっ?ばばばばばばばばーん!!」
六花「ばばばばばばばばばばばーん!!」
銃弾の落ちる音が目立ち、硝煙の匂いが立ち込まり、静寂が世に響き渡る。
六花「倒した!!」
六花「ゾンビが控えていたの!」
勇太「そうなの!?」
六花「やつはAP弾5発入れないと倒れない強敵の分野“クラス”だった。ふう危ない」
勇太「何でそんな奴がここに……あ!もしやこの公園に誰もいないってそういう…..」
六花「いや、全然違う!ゆうた才能ない!」
勇太「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんでした!」
六花「でも、協力に感謝する。ありがとう」
なんか褒められたし!うれしいけどなんかうれしくない!
謎の銃弾戦?は無事俺たちの勝利に終わり、俺は事の終止符を打たれたことにほっと一息がつく。そうだ、デートの告白の場所は例のあの場所にしよう。時間的にも門限大丈夫だし六花が喜ぶだろうなぁ。その中で勇太大好きって言ってくれたらもう……。
無言が続き、六花の背中をいいことに俺のカオスワールドが建設されニヤニヤしまくる。
俺が目の前の瞬間を見るや否や、前にあった六花のその拳銃の口を俺の目に向け、現実を突き付けられる。
殺される。え、なんで?六花??俺なにかした……?
何も返事をくれないまま、じっと俺の顔を見ている。恐怖で震え何も言葉ができない。少しの間が無限大に感じる。さっきまであった幸せはいとも簡単に死んでしまった。まっすぐ伸びる腕が彼女の本気度を表している。
六花は殺傷処分を下すような予断を許さない暗黒色の見開いた目つきで口を開く。
六花「犯罪係数10000000。執行モード、リーサルエリミネーター。慎重に照準を定め対象を排除してください」
え?なに?何語?
六花「バンッ」
その強く言い放った言葉が俺の心臓を停止させた。胸の中から熱いものを感じる。
勇太「……」
六花「……」
俺は前の光景が見えなくなった。
拳銃を長かった腕とともに折り畳み、そのピストルを空白の帽子に吊り上げると、その先の火をフッと吹き消し、俺の方を見てドヤっとシニカルに笑ってきた。
俺、騙されてたんだ。
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