18: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2018/01/04(木) 23:10:12.05 ID:FQ763ukmo
参拝を終えた帰り道、繋いだ手をぶらぶらさせながら夜空を見上げると雲の切れ間からお月様が顔を覗かせていました。幻想的に見えて声が漏れました。それに釣られたように見上げたプロデューサーさんも同じように歓声を漏らしていました。
「一年の始まりになんだか喜んでいるみたいですねっ」
喜んでいるのは私なんですけど、にこっと微笑むと同時にぴゅうっと風が吹きました。咄嗟に髪を抑えたら何処からかなんだか甘い香りが。きょろきょろと辺りを見回しましたがどこにもそんな香りのするようなものはありません。どういうことだろうと首を捻っているとプロデューサーさんに心配そうに声をかけられました。
「大丈夫か?」
「あ、いえ…その、さっき甘い匂いがしませんでしたか……?」
「え、そんな匂いした?」
「風が吹いた時に……」
「じゃあ出店の方の匂いが風に乗ってやってきたのかもな」
そう言って遠くを見て目を細めるプロデューサーさん。私も真似をしてみましたがなにも見えないので、むぎゅっと抱きつきました。
21Res/17.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20