18: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:22:02.20 ID:8VTblCYO0
「さ、うちに入ろう」
「ああ、いや」
「なんだよ」
19: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:23:26.29 ID:8VTblCYO0
「ごめんなさい」
私は千代美さんの本で虫を潰しました。とても、非常に丁度良い厚さだったので、つい。
20: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:34:27.71 ID:8VTblCYO0
【まほ(後)】
買い物は雪のため中止。家に戻り、コーヒーの時間とする。
千代美の淹れたコーヒーは何故か美味い。私がやってもどうしても同じ味にならないのが不思議で仕方ない。粉と湯だけで何故こうも差がつくのか。
21: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:35:26.86 ID:8VTblCYO0
「謝ってくれりゃ許すよ、そんなの。それに知ってるだろ、私が痕跡本好きなの」
んん、と返事なのか相槌なのか我ながらよくわからない声を出した。
22: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:36:33.16 ID:8VTblCYO0
「汚れは拭けばいいんだよ。それに、読むのに支障が出るわけでもないしな」
まほが虫を潰すのに使った本だと思うと、笑っちゃうじゃないか。言って、千代美は本当に笑った。
そう言えばそれは恋愛小説なのか、と訊いてみる。千代美の趣味は恋愛小説だった筈だが、その本はどうにも恋愛小説に見えない。
23: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:37:41.63 ID:8VTblCYO0
「テツネズミ」
「ん、違う違う、これはテッソって読むんだ」
鉄鼠、テッソか。
24: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:39:28.88 ID:8VTblCYO0
明日は本屋に行けるかな、と話す。
「本を買う必要も無くなったのに、まだ行きたいのか」
「行きたいと思っている訳じゃないが、行こうとして行けなかったのがどうにももやもやする」
25: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:41:07.92 ID:8VTblCYO0
「うーん、あ、そうだ」
千代美は、ブックカバーをねだってくれた。ああ、今使っているやつは洗濯機に放り込んでしまったからな。
26: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:42:25.80 ID:8VTblCYO0
明日は千代美ちゃん
27: ◆nvIvS/Qwrg[saga]
2018/01/03(水) 21:53:27.95 ID:8VTblCYO0
fsm.vip2ch.com
おまけ
まほが虫を潰すのに使った「厚い文庫」
28:名無しNIPPER[sage]
2018/01/04(木) 01:07:18.70 ID:pd2XbH+Wo
思いのほか教養のいる話だった
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