北条加蓮「アタシ努力とか根性とかそーゆーキャラじゃないんだよね」
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25: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2017/12/31(日) 22:40:22.93 ID:vyCd+JK40
 どこをどう歩いたのかもわからない。
 あるいは走っていたのかもしれない。
 気付けばアタシは事務所に来ていた。

「あったよ、ハチミツが!」

「そんな報告要らないよ」 

 部屋では、杏とプロデューサーが飽きもせずゲームで遊んでいた。乃々ちゃんは、姿は見えないけど、きっといつものように机の下だろう。

「お、加蓮ちゃん。ひと狩り行く?」

 杏の問いかけは無視して、アタシはプロデューサーの前に立った。

「レッスンって、アタシでも申請すれば受けられるんだよね」

「レッスン?」

 プロデューサーが顔を上げる。

「そう、レッスン、受けたい」

「……今日?」

「今日からできるのなら」

「少し待って」

 プロデューサーは机の上の電話機に手を伸ばし、どこかにかけ始めた。ふたことみこと言葉を交わし、受話器を置く。

「1時間後、第2レッスン室。場所はあとで案内するよ」

 あまりに簡単に事が運ぶので、少し拍子抜けした。

「こんな急に、大丈夫なの?」

「加蓮なら、受けるのは元々予定されていた初心者用の多人数ダンスレッスンになるから、トレーナーさんが手取り足取り指導するようなものじゃないし、ひとりふたり増えても変わりゃしない」

 そういうものか、と思った。なんにせよ都合がいい。



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