56:名無しNIPPER[saga]
2017/12/26(火) 21:58:33.93 ID:FQATJGRHo
千景(乃木園子の今の一言にどれだけの感情が込められているのか……。重苦しく湿った空気が漂ったのを感じる。けれど、場違いであっても、私だけ名乗らないわけにもいかない流れだろう)
千景「……郡千景よ」
園子「そっか、あなたが千景ちゃん……。ミノさんを助けてくれてありがとうね」
千景「……助けられたのは私のほうよ。それに私は一応、あなたにもお礼を言う立場なのでしょう?」
園子「……気付いていたんだ?」
千景「今、肯定を得たわ」
園子「ふふっ、怖い人だね」
千景「それはお互い様でしょう?」
園子「うーん、どうなのかな?」
千景(まったく、左目だけしか見えないのにこんなにも見透かすような瞳をして……。けれど、これで、乃木園子が私に便宜を図っていたことを自白したに等しい。前提はここにおいてようやく整い、私は乃木園子へと続けて話しかける。これが本題だ)
千景「……あなたにも本題があるでしょうから、私からは一つだけ投げかけさせてもらうわ」
園子「心遣いありがとうね。どんな内容かな?」
千景「あなたには聞きたいことがそれこそ山ほどある。だから、後日……いえ、出来る限り近いうちに、時間をいただけるかしら?」
園子「なーんだそんなこと。もちろん、良いよー」
千景「……随分とあっさり了承するわね。こちらとしては好都合だから助かるのは事実だけれど」
千景(これでもそれなりに緊張はしていたのだ、酷く拍子抜けしてしまっても仕方がない。一方で、確約は得た以上、この場で彼女と会話を続ける必然性はなくなった)
千景(……それじゃあ、後はあなたの本題を進めてちょうだい」
園子「やっぱり千景ちゃんは"そう言うこと"なんだね。ありがたく私の話に戻らせてもらうよ」
千景(全てに理解が届いたような表情を、乃木園子は、確かにした。……得体がしれないとはこう言う人物を指すのでしょうね……)
113Res/169.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20