9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/18(月) 23:40:22.26 ID:YUfqXVrMo
言われ、少女は驚いたように「えっ?」と呟いた。
「それって、Pさん、もしかして……。私は2号さんになれと?」
「1号だっていやしないよ!」
「あ、なんだ。……よかった! だったらやっぱり、私があなたの一番ですね!」
両手を嬉しそうに合わせ、少女がその甲に頬を乗せる。
そうして彼女は男に向けて「だって、だって私たちは――いとこで幼馴染で年上の幼少時に結婚の約束だってした甘い初恋相手で偶然の再会を果たした趣味に理解も持ってくれる上司と部下の関係で同時に二人はパートナー。恋のライバルも多いけど仲の良さは公認で両親も諦めたように私を追い出し今や住んでる場所も一つ屋根の下な――運命の糸で結ばれた者同士ですもんね!」と一気に捲し立てると頬を染めもじもじと微笑んだ。
ちなみに余談ではあるが、少女が実家を追い出されたのは両親が二人の仲を認めた為では断じてなく、
単に彼女の所有する書籍の数が増えすぎて自室の床がその重さに耐えられなくなってしまったからに他ならない。
その際、家のあちこちに雪崩れ込んだ本と本棚は七尾家をルーブ・ゴールドバーグ・マシンもかくやと力一杯蹂躙し、
一家の長たる父の口から「まだローンだって残ってるのに」という
父親ならば一度は言いたくない台詞TOP3に入るであろう言葉をちゃっかり引き出したりもした。
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