10: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/18(月) 23:42:59.00 ID:YUfqXVrMo
その結果としての少女と男の同棲だ。
彼女にしてみれば棚から牡丹餅、
男からすれば寝耳に水の引っ越しである。
……今、少女七尾百合子は自信もって断言する。
「Pさんと私は、きっと前世から結ばれる運命なんですよ!
じゃないと、こんなに縁がある理由に説明なんてとてもとても!」
「そうか? そうかな? 案外多分に勘違いが――」
あるんじゃないか? と問いたい男の目の前で、
少女は件の誓約書をヒラヒラさせつつこう続けた。
「だから、こんな誓約書なんてポイしましょ!」
「おっ?」
「代わりに用意したこっちの紙――婚姻届けに判ください♪」
「は、はああぁぁっ!!?」
急転直下。つかぬ間の安心は無情にも粉々に打ち砕かれ、
新たに捲られた本よりいづるはより強力で強大な紙っぺら。
押せば破れるだがしかし、ひとたび押された判の威力は誓約書なんぞの比では無い。
悲鳴を上げた男に向けて少女がじりじりにじり寄る。
「待て! 待て! でも百合子、お前はまだまだ15歳――」
「だから結婚できるって美希さんも!」
「世間体! 俺たちアイドルとプロデューサー!」
「私とこの家に住んでいて、今さらそんなこと気にしますか!?」
「あー、確かに言われてみればそうだよなぁ……。って、いかん! 待て、待て、待てっ!」
だがこの時、天啓! 男は突如思い出した。
百合子を説得する方法、とりあえず窮地を脱するその手段!
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