11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/12/18(月) 23:46:07.00 ID:YUfqXVrMo
「百合子! お前は大事なことを忘れているっ!!」
ストップをかけるよう手をかざし、叫んだ男の言葉に少女の動きがピタリと止まる。
「……大事なこと? なんです?」
「気づかないか? ベタベタな恋愛フラグ立てまくって交際を迫るわりには案外抜けてるトコがあるぞ」
ニヤリ、男が不敵に笑い、少女はハッとした顔になって自分の背後を振り返った。
いつの間にやら二人が騒ぎ立てる居間に続く部屋の扉が開いている――そして。
「……あっ、いえ、これはその!」
立っていたのは眉をひそめて固まる少女に。
「あちゃ、見つかっちゃったね」
と、興味津々と覗き込む女性。
「おや、なんとも間の悪い」
さらには銀髪淑女も誤魔化すように目を逸らし。
「アンタたちってば二人とも、朝っぱらからうるさいのよ! たまのお休みの朝ぐらいどーして静かにできないの!!」と
遅れてこの場にやって来て、爆発するはおでこちゃん。
男が「はっは!」とひと笑い、勝ち誇るように百合子を見た。
「百合子みたいな美少女にな、結婚を迫られてそれでも男が断る理由! それは他にも女がいるからだ!」
「プロデューサー」
「大体よくあるパターンだろ? 大した取り柄も無い冴えない男の家にだな、
突然女の子がダースで集まりプチハーレム――」
「プロデューサー?」
「……ま、まぁ、だからと言って彼女たちがいなかったら、
百合子の申し出を受けるのかって言うと別の話になるけども……」
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