【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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630:名無しNIPPER[saga]
2018/06/24(日) 10:07:41.22 ID:sW82/1G70

「ウバイトーレ……?」

「そうだ。ウバイトールは人間が物に込めた欲望を解放することによって誕生する。しかし、ウバイトーレは人間の欲望そのものを解放する。その強さは、ウバイトールの比ではない」

「……ウバイトーレにされた人間は、どうなるのですか?」

 ゴドーが問う。本人は隠しているつもりだが、どうしても倒れる皆井先生に目を向けてしまう。

「それを知ってどうするというのだ?」

「…………」

 ゴドーは黙したまま、デザイアの仮面を見つめた。ゴーダーツは、無言のまま視線を交わす司令官と同志の間に入る。

「……単純な疑問でしょう。そうだな、ゴドー」

「……ええ。そうよ」

「そうか」

 デザイアが再び口を開いた。

「どうなるも何もない。いずれはこの世界も闇に墜ち、我々アンリミテッドの領域に完全に墜ちる。そのとき、すべての人間は欲望に取り込まれる運命だ」

 デザイアはそのまま続ける。

「まぁ、もしもウバイトーレとされた人間を取り戻したいなどと考えるのなら、」

「っ……」

「……プリキュアたちに、浄化させればいい。そうすれば、ウバイトーレは元の人間に戻る」

「……そんなこと、思ってはいないです」

「そうか」

 会話は終わった。デザイアは再び皆井先生に手をかざす。そして、皆井先生の心に巣くう欲望に向かい、言った。



「その欲望、自分自身で購うのだな」



 闇が爆発的に広がっていく。デザイアの身体から放たれたその闇は、皆井先生に取り付き、その心の中にある欲望を無尽蔵に広げていく。闇が胎動し、産声を上げる。


『ウバイトォォオオレェェエエエエエエ!!』


「これがウバイトーレだ。生み出し方はわかったな?」

 三人が頷いたのを見て、デザイアも満足げに頷いた。

「さぁ、そろそろプリキュアどもがやってくる。我々は、ウバイトーレとプリキュアの戦いを眺めるとしようではないか」

『ウバイトォォオオレェェエエエエエエ!!』

 ウバイトーレは雄叫びをあげながら、進軍を始めた。

「……皆井先生」

 デザイア、ゴーダーツ、ダッシューがその後に続く。しかし、ゴドーだけは、ウバイトーレの近くに浮遊する、闇の牢獄に囚われた皆井先生を見つめる。

「……関係ない。あたしには、関係ない」

 まるで自分に言い聞かせるようにそう言って、ゴドーもまた、ウバイトーレを追いかけた。



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