【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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439:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 10:02:52.04 ID:w9vsRS0p0

「何が起きてるの……?」

「闇の欲望の化身、ウバイトールさ。世界を闇に染めるための怪物だ」

 ダッシューが言う。

「道とは、人間の欲望そのものだ。もっと活動範囲を広げたい。世界を広げたい。その思いは明確な欲望だ。それは、大いなる闇の一助となる」

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 怪物の雄叫びは直下から聞こえた。気づけば、アスファルトが真っ暗に染まっている。ドラゴの目の前に、凶悪な目が、口が、現れる。

「道路が怪物になったっていうの……!?」

「行け! ウバイトール! あの未熟なプリキュアをひねり潰すんだ!」

『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』

 アスファルトから腕が伸びる。予想のできない動きに、反応が追いつかない。ドラゴはその腕に弾かれ、吹き飛ばされる。

「きゃぁああああああああああああああ!!」

 塀に叩きつけられ、頭がクラクラと揺れる。膝をつくが、それでも倒れるわけにはいかない。

「さぁ、どうする、キュアドラゴ。未熟な君にこのウバイトールが倒せるかな」

「っ……」

 どうしたらいいのか、皆目見当もつかない。先ほどの腕はすでにアスファルトの中に消えている。暗闇に墜ちたアスファルトには、色が変わった以外に何の変化も見られない。直後、ドラゴの真下から巨大な腕が伸び上がる。

「なっ……!?」

「道路すべてが君の敵だ!」

 真下からの攻撃に対応できず、ドラゴはそのまま直上へ吹き飛ばされる。そのまま真下へ急降下をはじめるが、着地を心配するドラゴの目に、別のものが飛び込んできた。

「ぱ、パーシー!?」

 パーシーが、アスファルトから生える小さな手に、追い回されているのが見えたのだ。

「っ……!」

 空中で身体を反転させる。まっすぐに、守りたい小さな命を見据える。そちらへ向かって加速するイメージで、ドラゴは宙を蹴った。

 ドラゴの足先から炎が爆ぜる。宙を蹴り、パーシーに向け加速する。

 それは、意識して行ったことではなかった。だから、ドラゴにも、それをどうやったかはわからない。

「パーシー!」

 今まさに黒い手に捕まりそうになっていたパーシーを抱え、地面を転がる。はるか上方から地面に向かい加速したドラゴは、身体中を痛めながら、それでも、大切な友達を守り切る。擦り傷だからけになりながら、それでも、大切な友達を守り切ったのだ。



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