【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/08(日) 10:03:20.34 ID:w9vsRS0p0
「目障りだな。なぜそんな王族のために命を危険にさらす。なぜそんなに傷ついてまで、その王女を守る」
「……何度も、言わせないで」
ドラゴはパーシーを抱えたまま立ち上がった。全身の傷が痛い。衝撃で視界も揺れる。それでも、まっすぐ、こちらに歩み寄るダッシューを見据える。
「パーシーは大事な友達なの。だから、守るよ……」
「そうか。なら、君には何もできないということを、改めて教えてあげよう」
「な……」
音もなく接近したダッシューが、ドラゴの喉元にノコギリを突きつける。
「っ……」
「痛いだろう? 怖いだろう? これが、本当の戦いだ」
チクリと首が痛む。ツーと、血が垂れたのがわかった。
思わず目を閉じ、敗北を覚悟する。その様を見て、ダッシューが高笑いする。
「やはりその程度か。ホーピッシュのぬるま湯に浸かった分際で、ぼくたちアンリミテッドに刃向かうからそうなる! 弱くて情けないロイヤリティの王族などを庇うから、そうなる!」
「弱く、ても……」
それは、弱々しくて、小さな声だった。
「弱くても……戦う、ドラ……!」
あきらの胸に抱かれたままではあったけれど、パーシーは、声を発し、身体を広げた。小さな小さな身体で、まるで、あきらを庇うように、両手を広げたのだ。
「キュアドラゴは、プリキュアは、世界の希望ドラ。ドラゴを傷つけるつもりなら、パーシーが守る、ドラ……!」
「っ……。力のない分際で、何が“守る”だ!」
パーシーはダッシューの声に震えながらも、縮こまるようなことはしなかった。震える瞳で、それでも、毅然とダッシューを見返していた。
(わたしは……)
ドラゴは、その胸に抱く暖かい友達の行為に、思い出す。ああ、そうだ。
わたしはひとりじゃない。
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