【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2018/04/08(日) 10:03:52.15 ID:w9vsRS0p0
「伝説の戦士共々、ここで朽ち果てろ! 情熱の国の王女、パーシー!」
「ああああああああああああ!!」
ドラゴは目を開いた。恐怖から目を背けていた己を叱咤するように、吼える。
今まさに引かれようとしていたノコギリを、片手で掴む。激痛が走るが、それでも、放さない。手が震えるけれど、それでも、絶対に放さない。
「な、何を……」
「わたしはプリキュア! 伝説の戦士、キュアドラゴ!」
頭の中に明確なイメージが生まれる。それは、伝説の神獣、ドラゴンの炎。
そのイメージをそのまま、現出させるように。
ドラゴはノコギリを掴む手に力を込めた。
「ばっ、バカな……!?」
ドラゴの手から炎が噴出する。その炎は、瞬く間にダッシューのノコギリを覆い尽くし、燃やし尽くした。
「馬鹿な! 薄いとはいえ、金属の刃だぞ!? それを、一瞬で燃やし尽くしたというのか!?」
ダッシューは柄を放し、燃え尽きるノコギリを見ていることしかできないようだった。
「これが、キュアドラゴの力……?」
「“燃え上がる情熱の光”ドラ……」
「えっ?」
パーシーが言う。
「ロイヤリティの伝説に記されているドラ。キュアドラゴの持つ力、“燃え上がる情熱の光”。悪辣なるもの、邪悪なるもの、そのすべてを燃やし尽くす力ドラ」
ドラゴは右手から発現するその炎を見つめる。それは、ドラゴの心の中の熱い情熱の炎そのものに違いなかった。その情熱の炎は、ドラゴに力を与えてくれていた。
「パーシー。しっかり掴まっていてね」
「ドラ!」
パーシーはドラゴの肩に掴まる。ドラゴは熱い心を燃やし、左手にも炎を纏わせた。両拳に燃える炎を確認し、ドラゴは真っ直ぐにダッシューを見据えた。
「っ……! ウバイトール!」
『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』
ダッシューの声と共に、前方のアスファルトから巨大な腕が幾本も飛び出す。ドラゴに向かってくるその大量の腕を、ドラゴは両拳の炎で殴り、燃やし尽くす。
「なんて攻撃能力だ……! 今までのプリキュアとは段違いじゃないか!」
「ダッシュー!」
ドラゴは足下を爆発させ、加速する。まっすぐ、ダッシューに向け跳ぶ。
「ウバイトール!」
『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』
ダッシューに届く前に、ウバイトールの腕に阻まれる。今までより数倍も大きい手が、ドラゴの行く手を阻む。
「ぐっ……は、離れない……!」
その手にめり込んだ拳が抜けない。炎を強くするが、すぐには燃え尽きそうにない。
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