【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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438:名無しNIPPER[saga]
2018/04/08(日) 10:02:23.31 ID:w9vsRS0p0

「ッ……! 人の情熱は人を傷つける! 心と心がぶつかり合って炎が上がる! その炎は、君の心や友達の心を焼き尽くすぞ!」

 ダッシューが激昂する。

「けど、その炎はきっと、人の心を温める炎でもあるんだよ。その温かさが、きっと、人にたくさんの力をくれるんだよ。わたしは、もう、それから逃げたくないんだ」

 あきらの情熱はもう止まらない。

「怖いことだってたくさんあるよ。ゆうきとお話しするのも、今は少し怖いよ。それでも、わたしは、たくさんの情熱を持って、たくさんの人と一緒に生きていきたいんだ」

「……いっておくが、人との関わり程度を恐れる君に、プリキュアなど無理だよ。戦うのはもっと苦しいし、怖いよ。それでも、君は――」

「――戦うよ、わたしは、戦う。パーシーを守るために。パーシーの願いを叶えるために。そして、この世界を守るために」

「……わかった。なら、少し怖い思いをしてもらおうか」

 ダッシューが虚空から何かを引っ張り出す。それは、巨大なはさみと、巨大なノコギリだ。

「ぼくたちはアンリミテッドだ。己の欲望のためなら何でもするよ」

「っ……」

「怖いだろう? こののこぎりが、このはさみが、君の喉元に突き刺さるかもしれない。怖いだろう? ぼくは、人を傷つけることを何とも思わない」

 ダッシューの目はどこまでも本気だった。今や明確な敵意をドラゴに向けている。

 伝説の戦士に変身したって、怖いことに変わりはない。

 それでも、パーシーからもらった力は、ドラゴに勇気を与えてくれる。

「……怖いけど、わたしに戦う力があるなら。パーシーを守る力があるなら!」

「悪いが、君にまで強くなってもらっては困る。ここで仕留めさせてもらう」

 ダッシューは両手を空へ掲げ、叫んだ。

「出でよ! ウバイトール!」

「な、何……?」

 暗く濁る空が割れる。その隙間から漏れ出たのは、ヘドロのような黒い“何か”だ。その何かは大地に落ちると、そのまま雨水が染みこむように、アスファルトに消えた。



『ウバイトォォォオオオオオオオオオル!!』



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