【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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名無しNIPPER
[saga]
2017/12/24(日) 10:30:31.28 ID:3zYuh2uB0
………………
まさか泣いてしまうなんて自分でも思っていなかった。
「っ……」
だらしなく制服の袖口で涙をぬぐいながら、ゆうきはただ走っていた。無心になりたかった。何も考えたくなかった。
けれど脳裏に浮かぶ。めぐみのこと。めぐみの言葉。自分のこと。だめだめな自分のこと。逃げ出した自分のこと。
それはもちろん、精一杯やった結果が、めぐみより仕事が遅く、めぐみの仕事を妨げ、自分の足下さえすくうというものなのだから、ひどいといえばひどいだろう。
邪魔だと言われても仕方ないかもしれない。
なのに、逃げ出した。書類の山だって倒したままだ。めぐみは今ごろ、ゆうきに呆れながら作業を続けていることだろう。
「……弱虫だ、わたし」
ゆうきが弱虫だから。ゆうきが弱いから。だからめぐみの言葉が怖くなって、逃げ出した。
もう中学2年生だというのに、泣き出して、それを見られまいと逃げ出した。
きっとめぐみには泣いた顔を見られただろう。めぐみは今ごろ笑っているかもしれない。
「わたし、本当にだめだ……なんでこんなに弱いんだろ……――」
「――追いつかれちゃうニコ! 早くするニコ! “弱虫”」
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