【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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24:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:29:53.06 ID:3zYuh2uB0

「ニコっ……!?」

 その男の声は、背後から聞こえた。

「お前たちにしかできないのではない。お前たち “には” できないのだ」

「こんなところまで追ってくるなんて……!」

 振り返った先、悠然と立つ中肉中背の男。

「ど、どどど、どうして、ブレイたちの居場所が分かったグリ……?」

 すぐ後ろでそんな声が聞こえた。震えて震えて聞き取るのがやっとといった、情けない声。

 先ほどまでの怒気をはらんだ声はどこへやら。彼が情けなく縮こまり、声を出しているのだ。

「簡単なことだ。お前たちが持つ紋章が、俺の持つエスカッシャンと反応しているというだけのこと」

「そんな……じゃあ、どこへ逃げても……」

「ああ。必ず見つけ出し、捕らえる。お前たちだけではない。残りの2匹も、だ」

「グリっ……」

 背後からがたがたと震える音がする。

 情けない。本当に情けない。これで勇気の国の王子だというのだから笑わせる。

「あーもう! いつまでも震えてないで、逃げるニコ! “弱虫ブレイ” !」

「よ、よよよ、弱虫って言うなグリぃ」

 彼女は弱虫と呼んだ彼の手を取り、よたよたと走り出した。もちろん自分の紋章を奪われるわけにはいかないが、弱虫の持つ紋章をみすみす奪わせるわけにもいかないからだ。

「……ふん。無駄なあがきを」

 よたよたと小さい足取りで、彼と彼女が曲がり角で消えていく。しかし男は余裕の笑みのまま、ゆっくりと歩き出した。

「お前たちは必ず捕まえる。そして、紋章を奪い取る……それが、我ら “アンリミテッド” の欲望だからな」


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