【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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26:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:31:22.90 ID:3zYuh2uB0

「へ?」

 頭上から降りかかってきた声に反応する。“弱虫” という言葉が自然と耳に響いたのだ。

「ち、ちょっと待つグリ、フレン……こんなとこ、飛び降りるグリ……?」

 遅れて聞こえてきた、いかにも弱そうな声。ゆうきが少しだけおもしろいと思ってしまったことに、ヒステリックに “弱虫” と叫んだ声は小さな女の子のもので、弱そうな声は小さな男の子のものだった。

 声が聞こえてきたのは民家の屋根の上。ゆうきの位置からでは、声の主をうかがい知ることはできない。

「ああ、もう! 仕方ないニコね! 手を繋いであげるから、いっせーのーせ、で飛び降りるニコ!」

 いや、ちょっと待て。飛び降りる? ゆうきはほほえましい気持ちを振り払い、我に返る。よくよく考え直してみれば、小さな男女の声ではあるが、みょうに切羽詰まった声色ではなかったか?

「ちょっと! 飛び降りるって、危な――」

「――いっせーの、せ、ニコ!!」

「ぐっ……グリぃいいいいいいいいい!!」

 甲高い男の子の悲鳴に驚き、のけぞり、そしてゆうきは、ようやく彼らを認めることができた。

 屋根の上から落ちてくる、まるまるとした柔らかそうな物体。

 それには大きな目と口がついていて、小動物のように見えた。



 ――手を繋いだ二体のぬいぐるみが、頭上から落ちてくる。



 それも悲鳴つきで、だ。

「ひっ……!」

 情けない悲鳴をあげてはしまったが、ほとんど条件反射、ゆうきは丸々とした二体を両手で受け止めていた。


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