【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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27:名無しNIPPER[saga]
2017/12/24(日) 10:32:38.39 ID:3zYuh2uB0

「な、なに……? なんなの?」

 小動物、だろう。ただし見たこともないような、不思議な動物だ。

 片方は、少し茶色っぽい。ふるふると震えるごむまりのような身体に、小さい手足が二本ずつ。ずんぐりむっくりした体型だが、偉そうに首もとにたてがみのようなものをはやしている。

 もう片方は、ほんのり青くて、おでこに豆粒のような角をはやしている。やはりごむまりのようにぷにぷに柔らかいが、震えてはいない。否、よく見てみれば、つぶらな瞳で、ゆうきを見返しているではないか。

「あんた、誰ニコ?」

「えっ……? わ、わたし?」

 青いぬいぐるみから放たれたのは、先の女の子の声だ。そのひどく端的な物言いに、驚くタイミングすら逸してしまった。

「わたしは……ゆうき。王野ゆうき。あなたのお名前は?」

「ふん、このフレンに名を名乗れだなんて、不遜もいいところニコね」 丸い身体で、ゆうきの左手の上で、偉そうにふんぞり返る青い方。「特別に教えてあげるニコ。フレンは、ロイヤリティの “未来を守る優しさの王女”フレン、ニコ」

「へ? へ? へ? 王女様?」

「ニコ。本当ならあんたみたいな一般庶民に名乗ることなんてありえないニコ! 感謝するニコ!」

「あ……そ、それは、どうも……ありがとう?」

 お礼を言っている場合ではない。

「いやいやいやそうじゃないでしょ!? なんでぬいぐるみが喋ってるの!?」

「ニコ!? 失礼ニコ! フレンはぬいぐるみじゃないニコ!」

 いやどう見てもぬいぐるみだ。ぬいぐるみが喋っているようにしか見えない。

「あ、頭混乱してきた……」 ふと気づく。もう片方、茶色い方はまだ震えている。「えっと……あなたは?」

「……?」

 涙目の茶色いぬいぐるみが、ゆうきの目を見つめた。


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