【オリジナル】ファーストプリキュア!【プリキュア】
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196:名無しNIPPER[saga sage]
2018/01/28(日) 10:20:58.10 ID:xIWFcIHZ0

「……グリフはいつも、そうやって私を助けてくれる。グリフはいつも、私に力をくれる。グリフの勇気が温かくて、だから私は、こうやって笑うことができるのよ」

 迷っていたことが馬鹿らしい。悩んでいたことが何だったのかすら、思い出せそうにない。たとえ、ダッシューが何を言おうと、ユニコの希望はユニコの物なのだ。ユニコが何をするのも、何を望むのも、ダッシューに選択される謂われはない。ましてや、選択のための大事な物を、ダッシューに奪われていいはずない。

「私は……キュアユニコ。そして、大埜めぐみ! 私は、ブレイとフレンを守るし、生徒会長への立候補だって、自分で決める!」

 ユニコを中心として、空色の光が立ち上る。それはユニコの “守り抜く優しさの力” 。攻撃するための力ではない。しかし。

「私は……私を優しく見守ってくれている大切な相棒のためにも、絶対に負けない!」

『ウバッ……!?』

 苛烈なる守護の力は、ときとして攻性へとその性質を変える。ユニコを戒めるウバイトールを、青白い光の壁が内側から吹き飛ばす。ユニコの “守り抜く優しさの力” の光の盾が膨張したのだ。

「ぐっ……あれが、優しさの光だというのか……!」

「優しく包み込むだけが優しさじゃない! 相手を思いやることだけでも足りない! 時には怒ってくれる、それも優しさなんだ! ユニコはそれができる、本当に優しい女の子なんだよ!」

「ぐっ……キュアグリフ……!」

 よそ見をしているダッシューを、グリフの蹴りが吹き飛ばす。

「屁理屈を……!」

 ダッシューは後方に着地し、両の手を振るう。何もない場所からいくつもののこぎりが現れ、ダッシューは宙に浮かぶその刃物を操るように、一斉にグリフに向け放つ。

「さすがに、これは防ぎきれないだろう!」

「グリフにふせぐことができないなら、私が守るわよ!」

「何……!?」

 グリフの前に躍り出る影。それは白く美しい、優しさのプリキュア。

「ユニコ!」

「安心して、グリフ」 その笑顔は優しく、そして強い。「あなたは私が守るから!」

 かざす手に生まれる空色の光。それは巨大で強大な、守護の壁。空色の光の壁が、ダッシューの手繰る無数ののこぎりを弾き飛ばす。

「今よ、グリフ!」

「うん!」

 そう、今こそが決定的なチャンスだ。グリフはユニコの言葉を受け、右手を眼前にかざす。

「しまった……!」

 ダッシューの声が響くが、もう遅い。


「勇気の光よ、この手に集え!」



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