52: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:57:24.60 ID:TXSil8FD0
1番の余韻を残したまま間奏に入る。
いつのまにか数多の瞳がボクを驚きに満ちた目線で捉えていた。
観客はこのハスキーボイスで彩られた宮本フレデリカを見てなにを思うだろうか。
慌ただしく空間を切り裂くスポットライトはやけに明るい。
《明滅する街はボクらによく似てる
誰もが傍観者》
ボクは、ずっとフレデリカに頼り切っていた。自分らしさをフレデリカのアイデンティティに依存していた。
《照らしだされた影
触れられない灯り
曖昧なレゾン・デートル》
フレデリカだって変わっていたんだ。でもそれをボクに見せようとはしなかったし、ボクは変わりゆくフレデリカを知ろうともしなかった。
《だれもが全てを理解れやしない
移ろい変わる人を》
ボクは真相を知ろうともせずただ眺めていた。
《それでもボクらは知らずにいられず
何度も何度も問うてく》
キミが初めて、人格が飲み込まれていると気が付いたときは、それを分かった上で宮本フレデリカを演じようと決心したのは何故か。
何も気付いていない、フレデリカに染まりゆくボクをキミはどんな気持ちで 見ていたんだい。
《止まぬ雨よ
この悲鳴や、迷い、纏めて
流した後に答えてほしい
キミの目が映し出したこのセカイは》
存在証明を果たしたあの公園でキミの見た景色は──
《今、どんな色で揺れる?》
60Res/93.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20