44: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:48:04.02 ID:TXSil8FD0
志希「フレちゃんはね、内面に働きかけたんじゃなくて外側に訴えかけたんだよ」
「一体、どうやって!」
志希「飛鳥ちゃんは、フレちゃんの体で飛鳥ちゃんの服を着て外に歩こうと考えた?」
「そんな、ボクにはそんな発想──」
「……!」
志希「あの状況で自分の服を着てみようという発想、実行に移す大胆さ。まさに『フレちゃんにしかできない方法』だよね」
「フレデリカはそうやって自らの証明を叫んだ……!」
志希「イグザクトリィ。答えが近づいてきたね。こうして、フレちゃんは性格という不確定性の高い要素ではない、目に見える存在証明の方法を編み出した」
「それが……服を着て外を歩くというフレデリカの行動の真実」
志希「その上、美嘉ちゃんに写真も撮られていたよね」
美嘉「えっ!? あぁ、うん。ほら……」
志希「この写真がこの世に残り続ける限り、フレちゃんがこの世界に存在していたという事実はずっと消えない。つまりフレちゃんは存在証明を果たしたんだよ」
「フレデリカが、存在証明を……」
志希「これでもまだ抵抗が無意味だと思う? 飛鳥ちゃん」
「ボクは……」
ボクは流されていた。この可笑しくなってしまったセカイの中で。
それでも、フレデリカはずっと。
『魅惑のボンボンショコラーテ、とびきりの奴をもらおうか……』
『理由なんてないよ!ただフレちゃんはアスカちゃんに会いたかっただけ〜♪』
『必殺・シンクロニシティ!』
『実はね……カメレオンが風景に合わせて色を変えているってウソなんだって〜! 知ってた?』
ずっと……
『アスカちゃん。ボク、がんばるよ。』
……笑顔、だった。
自らの存在理由を象徴するように。
ボクはフレデリカの事を根本的に勘違いをしていた。
カメレオンはフレデリカじゃなかったんだ。
フレデリカはずっと自分らしさを貫き通していた。僕の道を照らすために。
なのにボクは悪夢に魅せられ、運命という潮流に流された。自分を見失い、二宮飛鳥というカラーを変色させていた。
カメレオンは……ボクの方だ。
──ほら、元気だして! クヨクヨしてたらアスカちゃんらしくないよ。こんな時だからこそ自分らしくしないとね。大事なのは器じゃなくて魂なんだよ。
嗚呼、そうか。
ようやく理解ったよ。フレデリカ。あのときキミが伝えたかった言葉の真意を。
フレデリカ(飛鳥)「やって、やる……!」
ボクの進むべき道は──
フレデリカ(飛鳥)「存在証明を、この体で!」
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