43: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:46:36.12 ID:TXSil8FD0
志希「自分を殺してまで他人に成り切ろうとする必要なんてない。フレちゃんらしさなんてフレちゃんにしかわからないんだもん」
「いまさらそんなことを言われても遅いんだ。もう戻ってこれないところまで来ちゃったんだもん。だからアタシは自分の運命を受け入れた」
志希「違う。受け入れたんじゃない。キミはただ流されただけに過ぎないんだよ」
「……だったら、どうすれば良かったんだっ! もうフレデリカは居ない、二宮飛鳥は他に存在している、そしてボクはもう自分のことを思い出せない。だから!」
志希「キミに残された時間で出来る事。それは、キミ自身の存在証明だよ」
「もう消えゆくというのに存在証明なんて無意味だ」
声が、震えてしまう。平常心を装おうとしてもこの身体は許してくれないみたいだ。頬は熱く、鼻の奥が詰まっていくのを感じる。
志希「ねぇ、フレちゃんが最後にやったこと覚えてる?」
「服を着ていた、だろ。フレデリカらしいやつを」
志希「そのとおり。あれはフレちゃん最後の抵抗なんだよ」
「だけど、結局フレデリカの人格は飲み込まれて、抵抗は虚無に成り果てた」
志希「それはどうかな? じゃ、続いてクエスチョン。『何故、フレちゃんは飛鳥ちゃんの体で自分の服を着ていたのでしょう。』その理由はなんだろうね?」
「かつての自分の仮面を被ることで自己を取り戻そうとした、だろ?」
志希「んー、ちょっと外れ」
「なっ……」
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