41: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:41:08.37 ID:TXSil8FD0
周子「って言われてもなあ……」
奏「というか貴女は本当に飛鳥なの?」
「アタシがアスカちゃんかどうか、かぁ……」
みんなこっちみてる。真剣な眼差し、心配してる雰囲気、あたたかみ。いや、シキちゃんだけ外を見ているね。
「本当のこと言ったらフレデリカについて教えてくれる?」
奏「貴女の答え次第かしら」
答えたくない。できることなら誰にもバレないままフレデリカになりたかった。
「そうだよ。アタシはフレちゃんじゃない。そしてみんなの予想通り、二宮飛鳥と宮本フレデリカの中身は入れ替わっている。……これでいい?」
奏「いいえ、まだ足りないわ。私が1番気になっているのはどうして飛鳥がここまでフレデリカに成り切ろうとしているかよ」
「あのね、この人格入れ替わりはただ入れ替わるだけじゃないの。元々の人格が入れ替わった先の人格に飲み込まれていくんだ」
奏「だからある程度はフレデリカのように喋られるのね」
「そして、アスカちゃんの体に入った宮本フレデリカの魂はアスカちゃんの人格に飲み込まれて消えちゃった」
美嘉「そ、それっていつ? もし、嫌じゃなかったらさ、教えてよ」
「昨日かなぁ」
美嘉「昨日……! もしかしてあのときアンタが焦ってたのは!」
「そう。オリジナルのフレちゃんの魂がなくなったのに気がついた直後だよ」
美嘉「アタシ、そうと知らずヒドイことを……」
「ううん、ミカちゃんは悪くないよ。悪いのは取り乱したアタシ。運命に抗おうとしたアタシなんだから」
奏「フレちゃんがこの世界にいなくなったのは分かったわ。だけど、飛鳥がフレデリカに成り切ろうとしている理由にはならないわ」
「フレデリカの体はあるのに人格は無い。そんなの、おかしいでしょ? だからアタシがフレデリカになれば全てがまぁるく収まるよ」
周子「でもさー、フレちゃんがそんなことされて喜ぶかね」
奏「それは自分を犠牲にしてまでしなくてはならないことなの?」
「フレデリカはアタシのために最後まで笑顔でいてくれた。そんなフレデリカを一瞬でもこの世から消しちゃダメだよ」
奏「なおさらよ。フレデリカが最後まで頑張ったというのに貴女がここで二宮飛鳥であることを諦めたら彼女の努力も水の泡になるわ」
「問題ないよ。だってもう身も心も結ばれている二宮飛鳥が存在してるもん。だからアタシがアスカちゃんである必要はないよ」
志希「ある。飛鳥ちゃんが飛鳥ちゃんであるのは必要なの」
さっきからずっと静かだったシキちゃんが割り込むようにして口を挟む。
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