17: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 20:03:16.85 ID:TXSil8FD0
【夜、フレデリカの部屋】
フレデリカ(飛鳥)「早くベッドで眠りたい……」
レッスンでクタクタになった体にムチをうち、なんとか部屋に帰り着いた。
それにしてもノドが乾いたね。今だったらセーヌ河くらい飲み干せそうだよ。実行したらおなか一杯にになっちゃいそうだけど。
冷蔵庫を開けて飲み物を探す。キンキンに冷えた緑茶のご登場だ。コップに入れて一気飲みをする。
ああ、気持ちいいな。五臓六腑に染み渡るとは正にこのことだ。
喉を潤したボクは満足して、ベッドに倒れこむ。少しずつ沈んでゆく感触が心地いい。
志希の言っていたことは一体何だったんだろうか。
ボクと話している時のフレデリカは天真爛漫そのものだった。
それが部屋から出た途端、苦しい顔をしたのだとしたら彼女の本音はどっちにあるのだろう。
フレデリカだってヒトの子だ。明るい彼女が心になにかを秘めていたとしてもおかしくはない。
だけど、ボクは元気なフレデリカしか見たことがない。
顔を上げると本棚には華やかなフォントで彩られたフランス菓子のレシピ本が並んでいた。
その本を手にとってみる。
いや、別に甘いモノに興味があるわけじゃないよ。ただ、フレデリカの好きなモノが気になっただけさ。
フレデリカ(飛鳥)「って、誰に言い訳してるんだか」
……
フレデリカ(飛鳥)「フム……意外とボクにも作れそうだね。今度作ってみるのも悪くはないのかもしれないな」
ガレット・ブルトンヌにビスキュイド・サヴォアか……フランス菓子って結構面白い名前が多いんだな。必殺技みたいにして叫ぶのもいいのかもしれない。
いや、もうしていたような気がす──
『ピンポ〜ン。』
来訪者の知らせを告げるチャイムが鳴った。クッ、いいところだったのに!
ドアの外にはかつて見たことのないくらい神妙な表情をしたフレデリカ(二宮飛鳥の姿をした者)が立っていた。
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