【モバマス】飛鳥「ボクは、宮本フレデリカだ」
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16: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 19:56:27.98 ID:TXSil8FD0

志希「冗談だよ〜! シコージッケンってやーつ♪」

フレデリカ(飛鳥)「それにしても急なんじゃない?」

志希「あたし、見ちゃったんだ」


意地悪な笑みを浮かべた志希は、ボクに顔を近づけて耳元で呟いた。


志希「昨日、飛鳥ちゃんがフレちゃんの部屋から出てくるなり、苦しそうに走ってくトコ♪」


昨日、というと劇団宮本フレデリカといっておどけていたあの話の後だ。
あの時のフレデリカは様子がおかしい瞬間はあったものの、苦しいといった事とは無縁だったと思っていたけど。


志希「フレちゃんってば飛鳥ちゃんになんかヘンなことしてないよねー?」

フレデリカ(飛鳥)「うーん。思い当たる節がないかなぁ」

志希「そっかーフレちゃんにもわかんないかー」


にゃはは、と志希は笑っている。
彼女は本当につかみ所の理解らないヒトだ。
ボクとフレデリカが可笑しい事を見抜いたのならもっと詰問すればいい物を、こうもあっさりと引き下がられるとただ気まぐれで引っ掻き回したいだけにすら思える。


志希「ねぇ、キミはいつまでそうやってるつもり?」


唐突に声のトーンを変えた志希はその猫のような口元を緩ませたままだった。
だけどブルーの瞳はどこまでも深く、ボクの掌をじんわりとにじませた。
そうだ、この瞳だ。こうなってしまうとボクはいつも動けなくなる。まるで睨まれたネズミのように。
志希は一体何を考えている?

パンパンっ。
沈黙を打ち破ったのは破裂音だった。
音のした方へ振り向くとベテラントレーナーが笑顔で手招きをしている。


ベテラントレーナー「二宮はソロの時だといいパフォーマンスをするが、バックダンサーがつくと急に崩れてしまうんだ。そこでだ。ちょっとレッスンに付き合ってくれないか?」

志希「フレちゃんフレちゃん。ベテラントレーナーのレッスンに巻き込まれたらあたし達過労で死んじゃう」

フレデリカ(飛鳥)「うん、理解ってるよ。どうにかしないとね」


志希とボクはコソコソ話で作戦会議をする。


志希「あの〜。あたし達今日はルーキートレーナーさんの元でレッスンしているのでー。勝手に代わってはいけないと思いまーす!」

ベテラントレーナー「安心しろ。了承済みだ」

ルーキートレーナー「一ノ瀬さん、宮本さん頑張ってくださいねっ!」


志希とボクは目を丸くしてお互いの顔をみた。

嗚呼、運命とは非情なモノだね──……



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