12: ◆JDH1DmZBjFQa[saga]
2017/12/15(金) 19:51:00.71 ID:TXSil8FD0
【夜、フレデリカの部屋】
他人の部屋というモノは落ち着かない。
入れ替わりをバレないようにする為の配慮ということだけど……
部屋の何処に何があるかわからないから結構不便だ。
……いつか、この部屋に慣れしまう時が来るのだろうか。そもそも、どうやったらこの夢から醒めるのだろう。
もしかしたらずっとこのまま──
ボクが不安に駆られていると、ドアを叩く音が聞こえた。ドアスコープから見てみると二宮飛鳥の姿をしたフレデリカが笑顔でこちらに向かって手を振っている。
飛鳥(フレデリカ)「アスカちゃん、おつデリカ〜。いや、今はアスカちゃんになっているからおつアスカだね♪」
フレデリカ(飛鳥)「……唐突だね。どうしたんだい?」
飛鳥(フレデリカ)「アスカちゃんが寂しがっていると思って〜☆」
フレデリカ(飛鳥)「別に、寂しいなんて思っていない」
飛鳥(フレデリカ)「ワォ! アスカちゃん強くなったね〜昔はこんなだったのにね〜」
フレデリカ(飛鳥)「キミはボクの過去なんて知らないだろう。第一ボクの幼少期がその手の大きさだったとしたならボクの幼少期はミジンコかなにかだ」
飛鳥(フレデリカ)「んもー、そんなカリカリしないで〜 。ストレスはお肌に悪いよー?」
フレデリカ(飛鳥)「誰のせいだと思っているんだ、全く。……で? わざわざ部屋に来たということはなにか用事があるんだろう?」
飛鳥(フレデリカ)「さっすがアスカちゃん! 鋭いね〜 でも残念! 用事なんてないよー。 フレちゃんはただアスカちゃんに会いたかっただけ♪」
フレデリカ(飛鳥)「会いたいなんていう感情はヒトが不完全な生物であるからこそ湧いてくるんだ。だから……」
飛鳥(フレデリカ)「孤独を寂しがるのは人間ならではって感じだね!」
フレデリカ(飛鳥)「おや、キミとユニゾンするとは珍しいね。やはりボクに成り済ます人間ならこれくらい哲学的な物の見方ができないといけない、といったところか。なぁ、フレデリカ。」
飛鳥(フレデリカ)「……!」
フレデリカからの返事がない。まるで豆鉄砲を喰らったような表情で固まっている。
まさか哲学に目覚めたからっていきなり《考える人》の物真似をしているわけではないだろうね。
60Res/93.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20