24:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 12:37:10.07 ID:P4K49h0cO
パキスタンの学校には大きく分けて二種類ある。国が運営するガバメントスクールと民間団体や学校法人などが運営するプライベートスクール。プライベートは施設の環境や設備は整っているものの、学費がガバメントに比べて異常に高い。
長女は畑から取れた野菜を売ったり、テロ集団同士の武器密売仲介業者として利益を上げているが、彼女が生み出した闇の金を以ってしても、次女とチンポをプライベートスクールに通わせることはできない。ガバメントスクールだけで生活費はカツカツなのである。
次女は姉の苦労を知っているので、学校に通うチンポへの暴力は当然のものだと考えていた。パキスタンには、学校にすら通えない子供が大勢いる。自分がいかに恵まれた環境にあるか、思い知らせるための折檻(本当は学校で溜めたストレスを発散するためにチンポを嬲っているが、正当な理由を作るために無理やりこじつけた)
25:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 14:53:56.27 ID:BD8Y27C4O
二時間かけて10kmの道を走破し、汗だくのまま校門をくぐった。教室は1年生から12年生まで細かく分かれている。チンポとアフマドは14歳なので、9年生だ。9年生の教室は建物の三階にあった。階段を一段飛ばしで駆け登ってゆく。
8時に始業の鐘が鳴る。それまでに着席していなければ、遅刻扱いとして名簿にバッテンがつけられてしまう。三つバッテンが溜まると、井戸の掃除や食器の後片付けなど『生徒が嫌がる仕事』を強制的に任されるのだった。
チンポは9A、アフマドは9Bに滑り込んだ。鐘はまだ鳴っていない。どうやら間に合ったようである。しかし、既に多くの生徒が着席していた。
26:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 22:25:32.47 ID:bhXlMEua0
一時限目の授業は数学だった。チンポは数学が苦手だったが、誰よりも長机にかじりついて黒板の数式を板書した。板書しただけでは学力は身につかない。それは知っている。しかし、ノートを取っておけば帰宅後に復習することができる。そこで自分の不足している部分を理解し、補えるのである。
隣のクラスメートが、露骨に顔をしかめた。汗臭いのだという。汗が乾燥して、チンポの髪はごわごわとかさついていた。
後ろの男子が臭い臭いと鼻をつまんで鉛筆で執拗に突いてくる。アフマドとお似合いだ、とも揶揄された。
自分の夫はターバンの男ただ一人だけだ。言い返してやりたかったが、ここで揉めるのは小人のすること。神の妻は、ゆったりと大きく構えねばならん。
27:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 22:48:17.30 ID:bhXlMEua0
昼休みの鐘が鳴った。教科書とノートを閉じ、肩掛けバッグに突っ込む。教室を出ると、アフマドに呼び止められた。
彼は口にパイプをくわえていた。学校にいる少しの間ですら、サソリ麻薬を我慢できないのか。チンポは無視して通り過ぎようとした。
ターバンの男と比べれば、アフマドのごとき鼠輩など相手をするのも煩わしい。昼休みくらい一人で食事をさせてほしいものだ。
眉をひそめてみたが、アフマドはヘラヘラ莫迦のように笑って張り付いてくる。埒が明かない。
28:名無しNIPPER[saga]
2017/12/06(水) 23:13:17.63 ID:bhXlMEua0
腹が減ったので、チンポは家から持ってきた干し肉を口に入れた。この頃、無性に腹が減る。身体が肉を欲している。そう、これも妊娠したからだ。
腹の中に宿った子供が、大きくなろうと肉を求めているのだ。都合のいい解釈だろうか。一応、病院で検査をしてもらった方がいいやもしれぬ。
妊娠の検査はいくらになるだろう。金銭関連を取り扱うのは長女だ。長女に子供ができたと報告したら、腹を蹴り飛ばされるだろう。
長女に黙って妊娠の検査を受けるためには、金を盗むしかない。チンポは帰宅後に姉の通帳を奪うことを決めた。
29:名無しNIPPER[saga]
2017/12/07(木) 15:31:59.21 ID:xnz3NrzxO
放課後、チンポは落日に染まる道を一人で歩いていた。辺りが薄暗くなってゆく。まるでチンポの人生のようだ。否、チンポは生まれた時から暗闇の中にいた。もがき、苦しみ、メシアの到来を識閾下で待ち望んでいた。
ラーワルピンディーからギルギットへの陸路バスに乗った。干し肉を口にした途端、どっと睡魔が押し寄せてきた。目を閉じる。さざ波の音。海だろうか。チンポは海を見たことがない。何かとてつもなく広い水たまり、ということだけは知っている。魚になって海を泳ぐ夢だった。夢を夢と認識する内は夢にあらず。古代の賢人が述べた言葉である。
隣に人の気配を感じて目を覚ますと、いつかのターバンの男が、優しい微笑みを浮かべていた。服は着ていない。一物は以前よりもそそり勃ち、例えるならばK2(カラコルム山脈にある山。標高は8611m)
30:名無しNIPPER[sage]
2017/12/13(水) 04:40:16.81 ID:6ALq6VL+o
おつ
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