101: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2018/01/27(土) 22:09:52.08 ID:lt/OPqe90
厨房で鍋を振るっている熊のような男が、顔を上げてニッコリ笑った。
料理長「いらっしゃい! お前さんのおかげで、客が大勢来るようになったぜ。一目だけでも、間近で見てみたいってなァ!」
勇者「大将、マントゥ二人前!」
料理長「あいよ!」
便所掃除「驚いた……随分と有名なんだな」
勇者「店のメニューを食い尽したら、大食いファンクラブができた」
便所掃除「ハッ、そういうことかよ」
勇者と便所掃除は、一階のカウンター席に並んで腰かけた。
目の前で丸い小麦粉の生地が平たく伸ばされていく。
隣の料理人は包丁でソース用のニンニクを薄くスライスしているようだ。
手慣れていない。新人なのだろうか。
料理長「研修生だよ。大陸中央部の料理研究がしたいって、俺の店に飛び込んできたんだ」
勇者「それで、雇ったの?」
料理長「熱意に負けたぜ」
料理人A「師匠と同じ厨房に立てるなんて、感激です! この前まで、皿洗いをやっていて……」
料理長「ソース終わったら鍋で湯、沸かしとけ!」
料理人A「アッ、ハイ!」
料理長が肉の塊を俎板の上にドン、と乗せた。
便所掃除「でっか! なんだそれ!」
料理長「牛のすね肉だ。こいつは煮込み用なんだが、蒸しても良い味が出る。そこで、マントゥの具に使うってわけよ」
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