14:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:33:23.70 ID:Glq8XdSL0
唯「みんな!買おうよ、等身大あずにゃんフィギュア!」
わたしは必死になっていた。少しの望みでも、かけてみたくなっていた。
澪「でも、これって220万円もするんだぞ……私たちのお小遣いじゃとても……」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:41:38.71 ID:Glq8XdSL0
あれから1か月、あずにゃんはみつからないまま、わたしたちは等身大あずにゃんフィギュアの抽選発表日を迎えていた。
唯「発表、まだかな……」
澪「サイト、かなり重いな……きっとすごく多くの人がアクセスしてるんだと思う」
16:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:47:02.64 ID:Glq8XdSL0
澪「私のは……ないみたいだ」
律「当たったのは……唯だけみたいだな」
やった……! 等身大あずにゃんフィギュアが当たった……!
17:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 10:57:08.08 ID:Glq8XdSL0
あれからさらに半年ほどたって、わたしはあずにゃんフィギュアの発送を待つ日々を送っていた。
りっちゃんと澪ちゃん、ムギちゃんは大学に受かって、今は大学生活を送っている。
わたしは……あずにゃんのことを考えると、なにも集中できなくて、浪人してしまった。
代わりに、アルバイトを始めていた。
18:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:06:39.98 ID:Glq8XdSL0
翌日の昼間に、大きな段ボール箱が我が家に届いた。
唯「わぁ、あずにゃんの大きさだ」
よいしょ、と持ち上げると、ずっしりとした重みを感じる。
19:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:17:49.34 ID:Glq8XdSL0
唯「あずにゃん、わたしだよ、唯だよ」
答えてほしくて、目を見て呼びかける。
でもその目はいつまでも合う気がしなくて、瞬き一つしない。
20:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:36:07.89 ID:Glq8XdSL0
唯「動いてよあずにゃん!! あずにゃん、等身大あずにゃんフィギュアになっちゃったんでしょ!? もういい、本物のあずにゃんに、戻ってよ!!」
唯「わたしが欲しかったのは、動かないあずにゃんフィギュアなんかじゃない!」
唯「続いていくはずだった、あずにゃんの未来がほしい!!」
21:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:44:39.43 ID:Glq8XdSL0
耳元でなつかしい声が響いた。
唯「あずにゃん……?」
確かめるように、等身大あずにゃんフィギュアの顔を見る。
22:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 11:52:13.00 ID:Glq8XdSL0
唯「あずにゃん? そこにいるの?」
『唯先輩、しっかりしてください!』
『おはようございます唯先輩』
23:名無しNIPPER[saga]
2017/11/26(日) 12:00:36.06 ID:Glq8XdSL0
少し等身大あずにゃんフィギュアが愛おしくなって、また話しかける。
唯「ねえあずにゃん、わたしたち、もう高校卒業しちゃったんだよ」
唯「みんなは大学に受かったけど、わたしは落ちちゃった。あはは、ダメだね……」
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