神崎蘭子から逃げていた
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17:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:52:19.91 ID:sxZEr0ye0
こっそり覗いている背徳感もあってか、心臓がドキドキと早鐘を打つ。

手に汗がじんわりと滲み、思わず唾を飲み込んだ。

単なる『アイドル』ではなく『担当アイドル』が、必死にもがいて輝こうとする瞬間を、俺は今、見ている。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:52:57.01 ID:sxZEr0ye0
「聞け! 我が唄を! 刮目せよ! 我が演舞を! その咆哮に酔いしれるがいいわ!」

息を呑んだ。
 
蘭子の背中に、白と黒の翼が見えた気がしたからだ。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:54:40.86 ID:sxZEr0ye0
「ぴゃっ……!?」

小動物を思わせる声が耳に届いた。

お前そんな声も出せるのか。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:55:25.20 ID:sxZEr0ye0
それでも、どうしても。

「なあ、何で神崎はアイドルをやろうと思ったんだ?」

蘭子は急な質問に対し少し目を泳がせてから、再度こちらに向き合う。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:56:12.09 ID:sxZEr0ye0
やっぱり言ってることはよくわからない。

だけど見ればわかる。
 
同じ空間に居れば感じる。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:57:05.92 ID:sxZEr0ye0
言ってることがよくわからないから?

蘭子のポテンシャルなら普通にやってればそこそこなんとかなると思ったから?
 
予算が取れないから無理だと言われたから?
以下略 AAS



23:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:57:53.42 ID:sxZEr0ye0
『妥当』とか『無難』とか、都合の良い言葉で飾られた責任放棄だ。
 
ただの思考停止の愚か者だ。
 
俺は『神崎蘭子担当プロデューサー』なんだ。
以下略 AAS



24:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 11:59:52.05 ID:sxZEr0ye0
言葉を口に出すのが怖かった。
 
覚悟を問われるのが嫌だった。
 
責任を負うのが面倒だった。
以下略 AAS



25:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 12:01:13.05 ID:sxZEr0ye0
そこからは怒濤の日々で、あまりよく覚えていない。

寝る間を惜しんで仕事をして、眠気を通り越して気絶するんじゃないかと思うときもスタドリで体に鞭を打ちながら、やるだけのことをやった。
 
先輩から段取りやスケジュール管理など基本的なノウハウのアドバイスを貰いに行った。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 12:15:17.09 ID:sxZEr0ye0
蘭子と一緒にいる時間も長くなり、自然と会話も増えていった。

「学校ではどんな感じなんだ」

「聖獣が如く寵愛を受け、我が進軍に賛美歌の調べが響いているわ」
以下略 AAS



27:名無しNIPPER
2017/11/16(木) 12:15:49.91 ID:sxZEr0ye0
少しずつわかってきたこともある。 
 
蘭子の言葉にはちゃんと意味があり、要所要所を押さえれば会話にそんなに支障は出ないこと。
 
『闇に飲まれよ』が『お疲れ様です』という意味であること。
以下略 AAS



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