3: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:22:57.95 ID:ZO9+GKwMo
そんなジェラシーたっぷりなことは言わなくても、そこは流石というべきでしょうか。まゆの言いたいことなんてお見通しとばかりに申し訳なさそうに「ごめん」とプロデューサーさんが謝ってきました。
あぁ、困らせてしまいました。私の、まゆの小さな嫉妬心のせいで。本当なら笑顔で見送らないといけないのに……
「……どうしても、行かないといけないんですか?」
4: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:24:28.63 ID:ZO9+GKwMo
その笑顔と、その優しさを全部まゆにください、なんて言えません。
けど、だけど、もし、それを口に出すことができたら、プロデューサーさんは一体どうするのでしょう。またあの困ったように笑いながら私を諭すのでしょうか。
そこまで考えてその馬鹿げた考えを頭から追い払いました。私には、できない。プロデューサーさんのことを想っている。それは事実です。だからこそ、私にはそんなプロデューサーさんを困らせることなんて出来はしない。……こうやって、二人でカフェでお茶をしているだけでも私はとっても幸せで、嬉しいから。本当でしたら、もっとお話したいことや聞きたいことがあったけど。それはまた出来ますから。
5: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:25:11.00 ID:ZO9+GKwMo
無意識にカフェオレの入ったカップを両手で包み込むようにしていました。指先から、手のひらから、段々と温もりが伝わってきます。
「プロデューサーさん」
6: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:26:39.75 ID:ZO9+GKwMo
「……あぁ! ありがとう。いってきます、まゆ」
こくんと大きく頷いたプロデューサーさんはお金を置いて、小走りでお店から出ていきました。扉から出ていこうとする彼は既にスマホを耳に当てていて、なんだかとても遠く見えました。
私のこの温度は伝わったのでしょうか、と手のひらを見ながら考えます。一瞬のハイタッチだったけどきっと伝わっているって思いました。根拠は、まゆとプロデューサーさんは通じ合っているから。
7: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:27:19.33 ID:ZO9+GKwMo
「……プロデューサーさん…」
8: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:28:38.52 ID:ZO9+GKwMo
泣かないって決めたのに、なんて誰に聞かせるでもないのにおどけるように呟いて目元を拭いました。
大きく溜め息を吐いて、窓から外を眺めました。見上げた空はとても青く、澄んでいました。
9: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:29:06.34 ID:ZO9+GKwMo
誰にも聞こえないように口元を手で覆って呟いた言葉は私の中へと。いつか、いつかはその先へと二人で歩めるように、と願い事を抱えて。見上げた空はやっぱり、青く青く澄んでいました。
10: ◆u71RyimI2MeR[sage saga]
2017/11/16(木) 03:29:46.40 ID:ZO9+GKwMo
おしまい
読んでくださりありがとうございました。
11:名無しNIPPER[sage]
2017/11/16(木) 04:47:38.22 ID:LGMG2dRbo
ままゆ!ままゆ!
12:名無しNIPPER[sage]
2017/11/16(木) 12:22:55.08 ID:WQMZsThxO
かゆですよぉ
12Res/5.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20