51:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 07:44:20.36 ID:Gn4OQ1TOO
男「幸い勉強に集中しても籍だけは置かせてくれるっていうんだ」
女「…まぁ最近はそんなところも多いんだろうけど」
女「実際仕事をしてないわけじゃないしね」
52:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 07:47:40.01 ID:Gn4OQ1TOO
男「…ちょっと息抜きでもしようかな」
女「ご飯あるよ」
男「なぁ」
53:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 07:51:27.86 ID:Gn4OQ1TOO
女「多分誰より長く生きた、誰より何かを経験した、人の死を多く見てきた、命の尊さを知ってる」
女「そんな私は、自ら死を望んじゃいけないの?」
男「…」
54:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 07:54:41.24 ID:Gn4OQ1TOO
女「もはや意思疎通もままならない人、五体満足には生きられない人、そういう自ら発信出来ない人達を殺して、救うというケア」
男「…そんなもんは救いじゃない」
女「…かもね、死にたい人なんていない、けれどその人が死ねば確実に楽になる人はいる」
55:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 07:59:05.54 ID:Gn4OQ1TOO
女「私はその女の人に聞いたの、とても気の毒です、お悔やみ申し上げますってね」
女「もちろんその場ではただ立ち尽くすだけだった」
女「でも、そのあと聴いた話によると、奥さんとっても喜んでいたようだよ」
56:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:03:54.69 ID:Gn4OQ1TOO
女「死が恐怖って人はいるけれど、私にとっては生きることが何より怖い」
女「あの時感じた感情の昂りも、全部が全部長い人生においての茶番であるように思えてくる」
女「楽しい思い出は、もうすっかり思い出せない」
57:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:08:44.80 ID:Gn4OQ1TOO
男「…あ…すまん」
男「…俺は、まだ若造だし人の生き死にに口を出すことなんてできない」
男「誰かにとっての人の死とか生とか価値観によっていくらでも見方は変わる、だからおいそれと口出しできない」
58:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:12:01.73 ID:Gn4OQ1TOO
59:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:16:41.19 ID:Gn4OQ1TOO
男「何をしても死なない体になったらどうしますか?」
先輩「何だそりゃ、心理テストか?」
先輩「俺なら、そうだな、とりあえず色んなところ旅するな」
60:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:20:20.86 ID:Gn4OQ1TOO
男(…)
男(…それが本当にその人にとっての救いになる選択だとしたら)
男(…俺は否定すべきではないのかもしれない)
61:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:26:16.41 ID:Gn4OQ1TOO
先輩「まぁ、俺は全く信じちゃいねえがよ、医療ってのは結局技術と知識、それに経験が物言うもんだから」
先輩「全くバカバカしいことだと思うよ、人類が何百年もかけて築き上げた命の叡智を真っ向からコケにした話だからさ」
先輩「良くあるだろ、脳死状態でもう植物人間としてしか生きられないって患者」
62:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:31:10.43 ID:Gn4OQ1TOO
先輩「もしも、不老不死で何やっても死なないやつがいるとしたら」
先輩「そいつはまだ生きたかったりしてな」
男「…まだ、生きていたい」
63:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:34:06.71 ID:Gn4OQ1TOO
男「…」
男「…俺は、誰かを救うために生きてます」
先輩「ん、俺もそんなところだ」
64:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:38:21.06 ID:Gn4OQ1TOO
男「…」
65:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:42:13.80 ID:Gn4OQ1TOO
男「お前のこと、知りたいんだ」
女「…つまんないよ」
男「つまらんことない、俺にとっては今一番知りたいことなんだ」
66:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:47:01.73 ID:Gn4OQ1TOO
女「ご飯も一日1食、暴行陵辱は1日2回、こっちの方が多いとか今思うと結構笑える」
女「まぁそんな風に人としての尊厳を踏みにじられた生活をしてると、心が麻痺していくのを感じるんだよ」
女「すると不思議なことに痛みも無くなってきてね、あれがなきゃ私は壊れていたのかも」
67:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:54:05.15 ID:Gn4OQ1TOO
女「旅は良かったよ、傷ついた心が少しずつだけど確実に癒されていく気がした」
女「けどまぁ私って美人じゃん、近付いてくる人くる人皆私の体目当てでね」
女「最初のうちはそういうのをのらりくらり躱しながら生きてたんだけど、それも疲れちゃって」
68:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 08:59:11.57 ID:Gn4OQ1TOO
男「…」
女「何であなたが泣くのか理解が出来ない、そんなに私が哀れ?」
男「…違う…違う」
69:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 09:35:11.69 ID:Lwdo56pVO
ウルトラスーパーデラックスガン細胞か
70:名無しNIPPER[saga]
2017/11/14(火) 09:59:54.74 ID:Gn4OQ1TOO
女「癌は細胞の突然変異、だったら私の細胞から生まれたこれも、普通のものとは比べ物にならないよね」
女「体が、自分のものじゃないみたい」
女「痛くて痛くて堪らない…辛くて辛くて堪らない!!」
71:名無しNIPPER[sage]
2017/11/14(火) 14:57:06.26 ID:UxGHw+8s0
暗いけど…
いい話。
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