【艦これ】提督「クソッタレな世界を」長門「生き残るために抗おう」【安価スレ】
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5: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:55:29.78 ID:5kjN12kv0
水底へと沈む体。肺の酸素が、次第に増していく水圧で押し出される。

歪んだ視界が捉えた幾重もの光。そのどれもが蒼い輝きを放っていた。

――予定よりは早く死ぬな。まぁ、自業自得ではあるか。
以下略 AAS



6: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:56:58.17 ID:5kjN12kv0
――思えば、昔から自分は駄目な人間だった。

病弱な母の手助けもせず、部屋で本を読んでばかり。

学校では誰とも話をすることがなく、いつも図書室の片隅で本を読んで隠れていた。
以下略 AAS



7: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:58:05.22 ID:5kjN12kv0
海軍兵学校に入学して、一番に驚いたのは、艦船に乗って戦うのではなく、『艦娘』という船の魂――船魂という――を宿した少女たちを率いて戦うことだった。

実際に鎮守府に派遣され、眼にした少女はあまりにも非力に見えた。

その数瞬後にはバーベルのように持ち上げられていたが。
以下略 AAS



8: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:58:44.15 ID:5kjN12kv0
眼が覚めると眼前には綺麗な天井が映っていた。

――ここはどこ?

女性――空母ヲ級――は思考する。
以下略 AAS



9: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:59:33.38 ID:5kjN12kv0
「ドウシテ貴方ハ提督ニナッタノ?」

それは素朴な疑問。

提督は、ばつが悪い顔で答える。
以下略 AAS



10: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:00:44.32 ID:5kjN12kv0
ヲ級との対話を終え、部屋を出る提督。すぐ傍の壁には、長門が寄りかかって立っていた。

「…すまない長門。このことは内密に…」

対する長門は平然と言い放つ。
以下略 AAS



11: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:02:09.05 ID:5kjN12kv0
――懐かしい記憶だ。

これが俗に言う走馬燈なるものなのだろう。きっと目を開けば閻魔大王とご対面だ。

さあ、どんな地獄を宛がわれるのか楽しみだ。
以下略 AAS



12: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:03:01.10 ID:5kjN12kv0
「――まず、提督が無理していたのは全員にバレていたよ」

やっぱりか、と提督は落ち込む。あれほど声が震えていたのだから、当然かもしれないが。

「いや、寧ろバレて正解だったさ。もし、貴方自身が出した玉砕命令だと判断したなら、私たちは純粋な深海棲艦になっていたよ」
以下略 AAS



13: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:03:44.51 ID:5kjN12kv0
「なに、単純な推理さ。提督が出すような命令ではなかったからな。脅迫されている、と考えれば、あの行動にも納得がいく」

「態々全滅させるんだ。貴方を殺すための口実作り、といったところだろう」

淡々と進めていく長門。しかしその目は、真っ直ぐに提督を見つめていた。
以下略 AAS



14: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:04:20.38 ID:5kjN12kv0
「私の名前ってそっちだとヲ級なんだ…。私に名前なんか無いんだけどね」

でも憶えてくれてて良かった、と微笑むヲ級。

「まぁ、敵として戦っていた以上、識別する必要があるからな」
以下略 AAS



15: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 16:05:11.69 ID:5kjN12kv0
対する提督は未だに理解出来ないでいた。

「何で君まで俺を助けようとするんだ!」

――理解は出来ている。だが、納得したくないのだ。
以下略 AAS



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