【艦これ】提督「クソッタレな世界を」長門「生き残るために抗おう」【安価スレ】
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7: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:58:05.22 ID:5kjN12kv0
海軍兵学校に入学して、一番に驚いたのは、艦船に乗って戦うのではなく、『艦娘』という船の魂――船魂という――を宿した少女たちを率いて戦うことだった。

実際に鎮守府に派遣され、眼にした少女はあまりにも非力に見えた。

その数瞬後にはバーベルのように持ち上げられていたが。

必死に采配を考え、引き際を見極め、何とか艦隊を維持してきた。

何度目かの大規模作戦の後。静かな夜に合わせるかのように、それは流れてきた。

「ウ…ァ…」

白い髪をした女性が砂浜に倒れていた。デスクワークの気晴らしに、と歩いていた時に、それと出会った。

「グゥ…!」

女性は立ち上がり、よろめきながらもこちらを睨む。しかし、また地面に倒れ伏す。

素人目に見ても酷い傷をしていた。頬には深い切り傷があり、全身の四割ほどが煤けていた。

恐らく戦闘で負った傷なのだろう。そして、態度からして彼女が敵だということはよく分かる。

「ウ…ウゥ…」

何度立ち上がろうとしても、手、足に力が入らないのか震えてばかりの女性。

敵なら助ける道理はない。だが、見捨てたら人として終わってしまう気がした。

「立てるか?…無理、だよな」

「触ル…ナ…」

この傷でよく意識があるな、と感心しながら、女性を背負う。

「っつつ…。文系にはしんどいな」

「ヤ…メ…」

体をもぞもぞと動かして、細やかな抵抗をする女性。

だが、傷ついた体では満足な抵抗も出来なかった。

「…辛いんだろう。だから助けるだけだ」

「これは、俺個人の意志で行うことだから。大丈夫、酷いことはしないよ」

「ウ…」

提督がそう言うと、抵抗を止める女性。無駄だと判断したのだろう。

満月の浮かぶ空を見て呟く。

――今日のことは一生忘れないだろうな。


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