【艦これ】提督「クソッタレな世界を」長門「生き残るために抗おう」【安価スレ】
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6: ◆k5OCMHkyEc[saga]
2017/10/29(日) 15:56:58.17 ID:5kjN12kv0
――思えば、昔から自分は駄目な人間だった。

病弱な母の手助けもせず、部屋で本を読んでばかり。

学校では誰とも話をすることがなく、いつも図書室の片隅で本を読んで隠れていた。

気に掛けてくれた先生を避け、学校から逃げ出すこともあった。

本を読んで、勉強も怠ってはいなかったのに、秀才と言われるほどの頭も無かった。

そう、自分はどんなに頑張ろうと凡才でしかなかった。

実際には凡才以下だったのだろうが。

そして、無意義に過ごしていたある日、大本営から『赤紙』が送られてきた。

今まで迷惑を掛けた罪滅ぼしに、と軍属を選ぼうとする自分を母は必死に止めた。

だが、そんな母を振り払って海軍へと進んだ。その時の泣きじゃくる母の顔は、今でも忘れることができない。

どうしてその時母は泣いていたのか、今なら分かる気がする。

きっと母は、寂しかったのだ。

――今の自分ですら、寂しいのだから。

ただでさえ病弱で、夫はいなかった。そして、唯一の子供である自分が外に出ていく。

病弱なせいで心細かったであろう母に対する最低な親不孝だろう。

今、親不孝を重ねているのだが。

親より早く死ぬなど、それこそ最低だ。殉職手当で補えるものではない。

――どうしようもない息子でごめん。

それが、自分の言える懺悔の言葉だった。


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