9:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 01:12:25.67 ID:xHPbDruOo
最近、少しだけわかってきたことがある。
「今を精一杯楽しむ」という感覚。
それは、私たち一族の生き方にはなかったものだ。
μ‘sのメンバーたちはどうやらその思いが人一倍強く、
一緒に活動しているうちに、
どうやら私も、その感覚に心を侵されてきているらしい。
そう。いつしか私は、どんな目的のためでもなく、
ステージでの、あの高翌揚感を味わうためにスクールアイドルをしているようなのだ。
…なんなのだろうか、この、心の奥にほんのり温かく灯る想いは?
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路上ライブは盛況のうちに終わった。
学園の部室に帰ってきたμ‘sの皆も、安堵と達成感の入り混じった笑顔を浮かべている。
…そう、にこ以外の皆は。
花陽「にこちゃん…私たち、何かミスをしちゃったかな?」
真姫以外のメンバーもにこの険しい表情を気にしていたようで、
先陣を切って花陽がおどおどと声をかける。
と、「はぁ〜っ」という、にこの深いため息。
にこ「あんたたち…今日のライブ、あんなので満足なわけ?」
それまでの和やかな雰囲気が、一瞬でピシリと凍りつく。
にこ「踊りは全然合ってないし、個々の声量もバラバラ。
かろうじて音程を外すことはなかったけど、みんながそれぞれ別々にパフォーマンスしてるだけじゃない?
こんなので、9人でいる意味ってあるの!?」
絵里「…ま、まあまあ。それはこれから練習を重ねて精度を高めていきましょうよ」
にこ「『これから』って、いつ完成するのよ?」
絵里「そ、それは…練習を重ねていったら、いつかはきっと…」
にこ「ふんっ!『いつか』なんて、負け犬の台詞よ!ラブライブの本戦はすぐそこなのよ?こんなことじゃ、予選だって通過できないわ!」
海未「そんな言い方しなくても…」
にこ「なによ!じゃあ女子中学生の仲良しグループみたいに、無条件にお互いを褒め合った方がよかったかしら?」
海未「くっ…」
ことり「にこちゃん…」
にこ「ふんっ!」
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