10:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 01:12:53.78 ID:xHPbDruOo
…たしかに、上を見れば私たちよりも優れたパフォーマンスをするグループや、
私たちより上手に歌うグループはたくさんいるだろう。
昔の私なら、彼女のように、自分たちの不甲斐なさに怒っていたかもしれない。
でも今の私は、少し冷めた目で彼女を見てしまっている。
観客が私たちの歌や踊りで楽しんでくれて、私たちも満足しているんだから、それでいいじゃない?
完璧なステージを目指すよりも、今の一瞬の高翌揚感を思い切り味わいたい、
そういう思いが以前よりもはるかに強くなっているようなのだ。
でも、それって、いけないことなのだろうか?
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その日の夜。
今日はどうにも気持ちが落ち着かないので、
無理やりにでも眠ってしまおうと、いつもより早い時間に自室にある天蓋付きベッドの縁に腰掛けたところで、
真姫が使役しているこうもりの中でも特にやんちゃで騒がしい1匹が彼女の肩にとまり、キーキーと叫び声を上げた。
真姫「なによ、こんな時間に。うるさいわね」
口をとがらせながら、やんちゃこうもりの羽を人差し指でピンとはじく真姫。
しかしやんちゃこうもりは、ポトリと床に落ちた後、
もう一度とび上がって真姫の肩にとまり、再びキーキーと鳴き声を上げる。
真姫「もう、なんなのよ!」
ベッドから立ち上がった真姫を先導するように、クルクル回りながら扉へ向かうやんちゃこうもり。
真姫「むーっ、今日は疲れたから、早く眠りたかったのに〜」
そう言いながら扉を開けると、やんちゃこうもりに導かれて、
真姫は闇夜の街へ歩き出していくのだった。
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