4:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 01:10:04.00 ID:xHPbDruOo
私たちは恐れている。
自分たちの正体が人間にばれてしまうことを。
人間たちが私たちを描いた映画や漫画を目にすることがあるけれど、
そのどれもが、滑稽な作り話だ。
それらの作品では、私たちが夜な夜な人間を襲って人類を支配下におき、世界の王として君臨する。
でも、そんなことは現実にはありえない。
たしかに、私たちの身体能力は人間よりも高い。
けれども弱点だらけの私たちは、正体が判明したが最期、狡猾な人間たちに追い詰められてあっという間に狩られてしまうだろう。
こんなに口惜しいことがあるだろうか。
下等な人間たちに姑息に追い詰められていく苦しみ。
そして、それに抗えない、私たちの弱さ。
だから私たちは、今日も闇にまぎれ、まがい物を口にして、抑えきれない欲求を細々と満たすのだ。
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真姫パパ「さあ、真姫。今日の分だよ」
真姫「…うん」
医師の真姫パパが真姫に手渡したのは、輸血パックだ。
真姫はそれをためらいなく口元に運び、ゴクゴクと喉を鳴らして一気に飲み干す。
その瞬間に訪れる、痺れるような心地よさ。
真姫(ああ…)
どんな食事も、どんな出来事も、西木野真姫の渇きを癒すことはできない。
この赤い液体だけが、真姫を満たしてくれる。
…はずだったのだが。
最近の自分を虜にしている、この液体よりも甘美な瞬間を頭に思い描いた真姫は、パパの声で現実に引き戻される。
真姫パパ「今日も、今までよく我慢したね…」
真姫「うん」
真姫パパが優しく真姫の髪をなでる。
真姫パパ「でも…」
真姫「…」
真姫パパ「気をつけるんだよ? 満月の光を浴びるといつも以上に欲求が強くなってしまう。
だから満月の日だけは、いつも以上に注意して、暗くならないうちに家に帰ってくるんだよ?」
真姫「ええ、大丈夫。よくわかっているわ」
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