【ラブライブ】満月の夜に
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13:名無しNIPPER[sage]
2017/10/23(月) 01:14:42.49 ID:xHPbDruOo
ベンチに座って、目の前の女の子と話しながら、
私の心には、さっきの疑問が再び湧きあがっていた。


私たち自身がライブを楽しんで、そして観客も楽しんでくれるなら、それでいいじゃない?

それより上を目指す必要なんて、本当にあるの?

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

真姫「ねえ、にこちゃん?」

にこ「ん?」

何かを振り払うように首を振ってから、真姫はにこに問いかける。

真姫「なんでにこちゃんは、いつもそんなに一所懸命なの?」

にこ「は?…喧嘩売ってるの?」

真姫「ううん、違う。…でも、どうしてもわかんないの。
   今だって充分に、お客さんは私たちのライブに喜んでくれてるし、
   私たちだって、スクールアイドルとして楽しく活動ができてるし、
   どうしてにこちゃんが『今以上』を求めようとするのか、私には全然わかんないの」

にこ「何言ってるの?」

きょとん、という表情で、質問に質問で返すにこ。

真姫「いや、だから、今の状態でも私たちってうまくやれてるじゃない?
   それなのに、どうして…」

にこ「いやいや、全然うまくやれてないじゃない?」




お互いに、「おいおい、マイケル。こいつは何を言っているんだ?」という表情で見詰め合う2人…。




真姫「…だ、だって、今日だってお客さんは喜んで拍手をくれたし、みんな笑顔だったじゃない?」

にこ「それは、昔から応援してくれてる前列のファンだけでしょ?」

真姫「え?」

にこ「たしかに、前列で応援してくれてるあの人たちは笑顔だったわ。
   でも、言い方は悪いかもしれないけど、
   ああいうファンのみんなは、私たちが笑顔で踊ってるだけである程度の評価はくれるのよ。
   …本当に怖いのはそれ以外の人たちよ
   『秋葉原で女の子が踊ってるから』って物珍しさで足を止めてくれた人が、
   しばらく私たちのライブを見ていた後に、興味なさそうに立ち去っていくのを見てなかった?」

真姫「…そ、そうなの?」

にこ「ええ。
   たしかに、今の私たちじゃ、そんな態度をとられても仕方がないわ。
   …でもね、練習を積めば、私たちはもっと凄いライブができる。
   みんなを笑顔にするような、みんなの心をギュッと握り締めて離さないような、そんなライブが。
   そう、私は信じてるの」

そう言って、唇を噛み締めるにこ。

にこ「私たちなら、絶対にもっと高いステージに行ける。頑張れば、きっと手が届く。
   …なのに、みんな、危機感が足りなさ過ぎるのよ…」


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