27:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 02:32:33.02 ID:y2wSW8Jko
三人を見送ってから私とプロデューサーは関係者席まで移動した。舞台裏と違い、ここは熱気で満ち溢れている。
プロデューサーから良かったら、と三人のイメージカラーのサイリウムを受け取った。
「そう言えば、アイドルのライブなんて初めてですわ」
テレビで流れているのをチラッと見たことがあるだけで、それは遠い世界の出来事だった。
だけど私は今ここにいる。そして、アイドルになろうとしている。
「不思議なものですわ。プロデューサーさんにスカウトされた、ただそれだけなのに」
照明が落ちる。歓声が上がるもののそれはすぐに治まる。ステージには誰も立っていないのだから。
まだか、まだかと期待が高まっているのが全身で感じ取れる。
「本当に、不思議ですわ」
全く知らなかった世界なのに、今だって何も知らないはずなのに。
私が求めているものがここにあると、私の心が叫んでいる。
『みんなー!! いっくわよー!!』
それが始まりの合図。私は全力で声を出した。
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