18:名無しNIPPER[sage]
2017/10/21(土) 02:03:40.31 ID:y2wSW8Jko
「そ、それはちょっと難しい、かも。大学で私のことをセレブだと思っている人がいるって前に話したじゃない?
プロデューサーも私のことをセレブだと思ってるかもしれなくて」
少しだけ嘘をついているけど間違ったことは言っていない。それを聞いたお父さんはハッとした顔をして私を見る。
「じゃあもし千鶴がこんな小さな商店街の肉屋の娘なんて知られたら!?」
「……最悪、この話は無かったことに、なんてこともあるかも」
お父さんの顔がみるみる青くなっていく。ちょっとした冗談のつもりだったけど、お父さんには効果覿面だったみたいだ。
「そうかしら? 千鶴は私たちの自慢の娘なんだから。きっとセレブじゃなくてもみなさんに受け入れられると思いますけれど」
「いやいや母さん、世間は厳しいよぉ! 産地偽装したって噂されるだけで店を畳むしかなくなったりするんだからさ!」
少し効きすぎたかもしれない。まぁお父さんにはこれぐらいがちょうどいいか。
「そうねぇ。千鶴はどうしたいの?」
「あのね? セレブを演じるのも慣れちゃったし、それにやってみたら案外楽しかったから。
だから私はセレブなアイドルに、なってみたいかなーって……」
少し恥ずかしかったけど本心を言った。セレブなアイドル。もし本当になれるのだとしたら私はそれになってみたい。
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